【スポーツ】1食50ペソでフィリピン武者修行…山元浩嗣プロ12年目の挑戦
日本スーパーフェザー級13位、山元浩嗣(ワタナベ)がプロ12年目にして日本タイトル初挑戦のチャンスをつかんだ。7月1日、後楽園ホールで日本スーパーフェザー級王者・尾川堅一(帝拳)に挑む。
山元は熊本市出身、33歳のスイッチボクサーファイター。2005年7月デビューし、20勝(4KO)13敗3分のベテランだ。16年9月にはメキシコで元WBO世界バンタム級、WBC世界フェザー級王者のジョニー・ゴンザレス(メキシコ)とも対戦(1回TKO負け)した。
昨年、仕事を辞め一念発起。フィリピンに武者修行に出掛けた。「ボクシングだけでなく、英語の勉強もするつもりです。失業保険を有意義に使いたい。この先、仕事をするのに役立てたい。ワタナベジム・フィリピン支局でもできればいいですね」と笑った。
フィリピンはジェンサン、ダバオにあるジムでトレーニングに励んだ。食事はほとんどジムのまかないや、屋台や小さな食堂で50ペソ(約110円)のワンプレートで済ました。日本とフィリピンを何度か行き来したが、質素な環境でボクシング漬けとなった約7カ月で、「精神的にも肉体的にも強くなったと思う」と実感している。
そして巡って来た王座挑戦のチャンス。尾川は15年12月に内藤律樹(E&Jカシアス)からベルトを奪った強豪。主要4団体で世界ランキング入りし、21勝(16KO)1敗の戦績通りのハードパンチャーだ。
日本ではジムの寮で京口紘人や谷口将隆ら後輩とともに暮らしている。ハングリーな生活の中、後輩たちの活躍も刺激になっている。「尾川は強いけど、僕としてはああいうファイタータイプの方がやりやすいと思う。必ずベルトを取りますよ」と、命がけで金星を狙っている。(ボクシング担当・津舟哲也)