【野球】巨人浮上のカギを握る元セーブ王
27日現在で借金6と、いまだBクラスの4位に低迷する巨人。今季は貧打にも悩まされる側面もあるが、序盤からマシソン、カミネロを除く救援陣に課題もあった。そんな中、13年のセーブ王でもある西村健太朗投手は6月2日の出場選手登録以降、自信を取り戻しながら救援陣の一角として完全復活へ歩を進めている。
「今年は投げて結果も出て、自信を持ってできてる。どんな場面でも向かっていく気持ちを忘れずに、打てるもんなら打ってみろって気持ちで投げてます」
今季はここまで21試合に登板し、防御率1・61。6月11日・日本ハム戦から7月5日・広島戦までは9試合連続無失点をマークした。首脳陣からの信頼も日に日に増し、勝ちパターンでの登板もある。「勝ち試合で投げさせてもらえるのは光栄なこと。しっかり抑えて後ろにつなぐのが自分の役目」と表情を引き締める。
23日・DeNA戦(横浜)こそ同点の六回1死二、三塁に登板し、2/3回で2失点を喫した。それでも高橋監督は試合後「ここまでいい投球をしてくれていた。次またいい投球をしてくれればいい」と評価は変わらない。次戦の25日・広島戦(岐阜)は2点を追う八回2死一、三塁から登板し1回1/3を無安打無失点。前回登板を引きずらない投球を示した。
12年は69登板で32セーブ、防御率1・14。13年は71登板42Sでセーブ王、防御率1・13と連覇に貢献した。だが15年には右肘の手術をし、昨季は27登板、防御率3・21の結果に終わった。「2軍でも3軍でも打たれてて、(1軍でも)半信半疑だった」。そう振り返る不本意な1年だったが、今季は登板を重ねるごとに手応えもつかんだ。
残り51試合。同率2位のDeNA、阪神とは6ゲーム差で、浮上へ向けて救援陣の安定は不可欠だ。「どこで投げるにしても、チャンスをもらったら貢献できるようにしたい」。喜びも苦しみも経験してきた右腕の復活は、チームに大きな影響をもたらすだろう。(デイリースポーツ・田中 哲)