【野球】独立リーグ出身の三本松・日下監督が挑む初めての甲子園

 夏の甲子園に24年ぶり3回目の出場を果たした三本松(香川)。チームを率いる日下広太監督(33)は、独立リーグのBCリーグで4年間プレーした経験を持つ。近年は“元プロ”の監督やコーチが増えているが、独立リーグ出身の高校野球指導者は珍しい。日下監督自身も「独立リーグ出身で甲子園に出るのは、おそらく自分が初めてではないか」と話す。

 三本松野球部OB。捕手で3年時には主将も務めたが、甲子園出場の夢は果たせなかった。順大に進んで教員免許を取得。卒業後、BCリーグの石川ミリオンスターズと新潟アルビレックスで計4年間プレーした。

 独立リーグではほとんどの選手がNPB入りを目指しているが、日下監督は「NPBに行きたいとは全く思ってなかった。僕は指導者になりたくて、そのためにいろんな野球を知りたかった」と話す。大きな影響を受けたのが、石川時代の金森栄治監督の教えだった。西武などで活躍した金森氏は西武や阪神などNPBでのコーチ経験も豊富で、「野球の理屈を細かく、丁寧に教えてくれた」と日下監督は振り返る。

 現役を引退したあと教員として故郷に戻り、中学校や養護学校勤務を経て14年4月に三本松に赴任した。コーチを務めたあと、一昨年8月に監督に就任。自らの知識と経験を後輩たちに注ぎ込み、2度目の夏で母校を甲子園に導いた。

 チームの中心はMAX144キロのエース右腕・佐藤圭悟投手(3年)。打線も県大会打率・387と強力で、上位から下位まで切れ目がない。2日には甲子園練習を行い、聖地の感触を確かめた33歳の青年指揮官は「憧れの舞台。うれしい思いでいっぱい」と目を輝かせていた。

 三本松は過去3度の甲子園でいずれも初戦敗退だった。4日に行われた組み合わせ抽選で、初戦の相手は下関国際(山口)に決定。「チャレンジャーとして、まずは1勝して校歌を歌いたいですね」。甲子園でも選手たちを信じ、迷いなく采配をふるう。(デイリースポーツ・浜村博文)

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