【野球】ドラフトの目玉を回避した球団の過去1位指名選手たち

 早実・清宮幸太郎内野手がプロ入りを表明し、1位指名する球団の数に注目が集まっている。これまでのドラフト史上で最も1位指名が競合したのは、1989年の野茂英雄と1990年の小池秀郎の8球団。一方で、野茂や小池という目玉選手をあえて回避して、指名した1位選手が1年目から目覚ましい活躍を見せていた。(球団は当時、敬称略)

【1989年】

 まず野茂を指名した球団は、交渉権を獲得して入団となった近鉄をはじめ阪神、大洋、ヤクルト、ダイエー、日本ハム、ロッテ、オリックス。それ以外の球団も投手指名が多くチームの中心として活躍した選手がそろった。

 広島は佐々岡真司(NTT中国)、中日は与田剛(NTT東京)、西武は潮崎哲也(松下電器)。一方、巨人は野手で大森剛(慶大)を指名した。

 広島・佐々岡は、1年目の90年4月12日大洋戦(横浜)で初登板初先発。9回2失点の完投で初勝利を飾った。さらに救援としても活躍してこの年は44試合で13勝11敗17セーブ、防御率3・15。

 2年目の91年には最多勝と最優秀防御率のタイトルをはじめ沢村賞にも輝いた。プロ18年で138勝106セーブを記録するなど、広島の投手陣を支えてきた。

 中日・与田は150キロ台後半の直球を武器に1年目で31セーブ。この年は最多セーブなどのタイトルを獲得して新人王にも選ばれた。1軍での実働は7年で148試合に登板。8勝19敗、59セーブで防御率4・58だった。

 キレのあるシンカーを武器に西武・潮崎は1年目からセットアッパーとして活躍。7月5日・オリックス戦(西宮)では8者連続奪三振を記録した。

 チームが優勝を決めた9月23日の日本ハム戦(西武)と日本一となった10月24日、巨人との日本シリーズ第4戦(西武)で胴上げ投手となった潮崎。主にリリーフだった90、92年は投球回が100回超。プロ15年で523試合に登板し82勝55敗55セーブだった。

【1990年】

 この年のドラフトで小池を指名したのはロッテ、近鉄、中日、ヤクルト、阪神、西武、広島、日本ハム。一方でオリックスが長谷川滋利(立命大)、大洋が水尾嘉孝(福井工大)、ダイエーが木村恵二(日本生命)。巨人は、前年にダイエーからの外れ1位指名を拒否した元木大介(上宮卒)だった。

 オリックスの長谷川は新人王を獲得。28試合で12勝9敗1セーブ、防御率3・55だった。97年から海を渡り、エンゼルスなどMLBでも活躍した。

 ダイエー・木村の1年目は、29試合で4勝14敗、防御率5・88。本拠地・平和台のマウンドに初めて登った4月13日の西武戦では、清原和博から4打席連続三振を奪うなど快投。

 大洋の水尾は、プロ入りからしばらく苦しんだが、オリックス移籍後に頭角を現す。97年にはリーグ最多タイとなる68試合の登板で1勝2敗2セーブ。51回2/3を14失点で防御率2・26だった。

 ちなみにこの年、小池との交渉権はロッテが獲得。ただ、小池は入団を拒否して松下電器へ進み、92年のドラフトで近鉄に入団している。(デイリースポーツ・折原良輔)

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