【野球】ドラフト指名を待つ四国IL徳島の152キロ右腕・伊藤翔

 プロ野球ドラフト会議(26日)が間近に迫ってきた。今年も高校、大学、社会人でプレーする多くの有望株が指名を待っているが、人材の供給元としては「独立リーグ」も忘れてはならない存在。中でも05年の創設以来、ロッテ・角中勝也外野手(元高知)や中日・又吉克樹投手(元香川)ら50人以上(育成枠含む)をNPBに送り込んできた四国アイランドリーグplus(IL)には、今年も有力選手がそろっている。

 その一人が、徳島インディゴソックスの152キロ右腕・伊藤翔投手(18)だ。

 千葉県出身で、この春に横芝敬愛高を卒業したばかり。高校時代も快速球右腕として注目を集めプロを志望をしたが、昨年ドラフトでは指名されなかった。NPBを目指して入団を決めた徳島では春から先発で頭角を現し、6月に自己最速の152キロをマーク。スライダーやフォーク、ツーシームなど変化球も磨き、今季リーグ2位タイの8勝、同3位の防御率2・18の好成績を残した。

 年間総合優勝をかけて香川オリーブガイナーズと対戦したチャンピオンシップ(5回戦制)では、第1戦で2安打1失点の好投。さらに2勝1敗と王手をかけて迎えた第4戦でも3安打完封の快投でチームを総合優勝に導いた。技術面だけではなく、大一番で力を発揮できるタフな精神力も、NPBのスカウト陣から高い評価を受ける要因だ。

 この1年で成長を遂げた伊藤には、早く肩を並べたい投手がいる。「九十九リトルシニア」(千葉)でプレーした中学時代に、ライバルチームのスター選手だった楽天・藤平尚真投手(19)だ。藤平は横浜高に進み、昨夏の甲子園に出場。ドラフト1位で楽天入りすると、入団1年目で先発ローテ入りする活躍を見せた。その背中を見続けてきた伊藤は「刺激になっている。自分も同じ舞台に立って、1日でも早く1軍のマウンドに上がりたい」と力を込める。

 ドラフトを前に、伊藤は7日から、独立リーグ日本一をかけてBCリーグ王者の信濃グランセローズと対戦する「グランドチャンピオンシップ」に挑んでいる。徳島にとって3年ぶり2度目の頂点を狙う戦いだ。「気負うことなく、1年間やってきたことを出し切って、チームに貢献したい」。18歳の右腕が最高の形で運命の日を迎えられるか、注目したい。(デイリースポーツ・浜村博文)

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