【野球】慶大のドラフト候補大砲・岩見が誇る驚異の本塁打率…高橋由伸の約1・9倍

 26日に開催されるNPBドラフト会議まで、2週間を切った。居並ぶ候補選手の中で、この秋に注目度が急上昇した強打者がいる。慶大・岩見雅紀外野手(4年・比叡山)だ。

 8日の明大2回戦で、東京六大学リーグ史上初となる5試合連続本塁打をマーク。通算でも早大・岡田彰布(元阪神)に並ぶ史上3位の20本塁打とし、慶大・高橋由伸(現巨人監督)の最多23本塁打にあと3本と迫った。

 187センチ、107キロの巨漢。当たればどこまでいってしまうのかという飛距離は“すさまじい”のひと言につきる。記事でも“規格外の大砲”という表現で何度か紹介した。あらためて調べてみると、飛距離だけでなく、岩見には歴代のスラッガーと比べて“規格外”の数字があった。

 それはいわゆる「本塁打率」。(打数÷本塁打数)で、ホームラン1本を打つのに何打数を要したのかを示したものだ。

 東京六大学リーグの歴史で、通算20本塁打の大台に到達したのは4人。過去には高橋、岡田に加え、22本塁打の法大・田淵幸一(元阪神)がいる。順に本塁打率を割り出してみると…

 高橋 366打数23本塁打=15・92

 田淵 342打数22本塁打=15・55

 岡田 309打数20本塁打=15・45

いずれも15打数台だった。

 では、岩見はというと…

 170打数20本塁打=8・50

4人の中でも圧倒的な数字だ。本数では歴代1位の高橋の、なんと1・87倍という確率でアーチをかけていた。

 岩見の異能を示す数字は、もう一つあった。安打に占める本塁打の割合だ。

 高橋 119安打23本塁打=19・3%

 田淵 94安打22本塁打=23・4%

 岡田 117安打20本塁打=17・1%

 岩見 48安打20本塁打=41・7%

 ほぼヒット4本に1本がホームランという田淵もすごいが、岩見はそれをはるかに上回る。ちなみに、今秋は8安打で6発。春を含めても19安打で11発と、今年はヒットの半分以上が柵越えという量産ぶりだ。

 高橋、田淵、岡田は1年時から主力として活躍。一方、岩見はデビューが2年春で、同秋の初本塁打を含む2発はいずれも代打で放ったもの。2年終了時で12試合13打席しか出番はなかった。そこから驚異的なペースでアーチを積み上げてきた。

 岩見を視察するスカウト陣からは「飛ばす力は今まで見てきた中でNo.1」、「パワーは外国人助っ人並み」、「天性のホームランバッター」という賛辞が相次ぐ。今年の打率は春秋ともに2割2分台、通算で2割8分2厘。走力や左翼守備にも課題は残るが、長打力は何にも代えがたい魅力だ。ドラフトでは、DHのあるパ・リーグ球団を中心に、上位指名される可能性もある。

 通算20本塁打を放った明大戦後、岩見は他の3人の顔ぶれを聞くと「すごいなあと思います。すごくないっすか?大丈夫ですかね、僕。名前が載るんですよね?」と半分困ったような笑みを浮かべていた。1浪して慶大に合格した苦労人でもある大砲。残るリーグ戦で完全燃焼し、「プロ一本」と明言して迎えるドラフトでも吉報が届くことを願いたい。(デイリースポーツ・藤田昌央)

※岩見の成績は10月14日現在。

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