【野球】タクト冴え渡るDeNAラミレス監督、日本シリーズへ次の一手は
シーズン3位からCSファーストSで阪神を破り、ファイナルSもリーグ覇者・広島に0勝2敗から破竹の4連勝で日本シリーズ進出を決めたDeNA。ナインの奮闘はもちろん、アレックス・ラミレス監督の采配もズバズバ的中し、下克上を成し遂げた。
「決断して使った選手がいい活躍をしてくれている。自分の策がハマって結果が出たというより、選手がしっかりやってくれたということに尽きる」
指揮官が選手に感謝する中、「打」の面では乙坂がラッキーボーイのような働きで起用に応えた。ファーストS2戦目では5-4の七回に代打で出場し3ラン。ファイナルS2戦目でも2-1の五回に高城の代打で出場し2点適時打。後者については「チャンスになりかけたところで(バッテリーコーチの)光山さんから『高城に代打を使ってもいいんじゃないか』と提案があった」と意図を説明。勝負所での、指揮官の決断力も実を結んだ。
乙坂は今季83試合全て途中出場。打率・190と、思うような結果は残せなかった。それでも今CSでは重要な場面で力を発揮。前述の2つの打席はいずれも初球を仕留めており、乙坂は「振っていかないと何も起こらない。振っていってその日の状態が分かることもある」とうなずく。「今、チャンスの時に乙坂というのを決めている」と指揮官からの信頼も得ている。
ラミレス監督は継投面でもタクトを振るい続けた。ファイナルS3戦目はピンチを迎えた六回に3人の中継ぎをつぎ込みピンチを脱出。23日の4戦目も、21日に先発予定だった今永をプロ初のリリーフで起用し、1点差勝利をもぎ取った。3戦目から4戦目までは2日連続で中止。それによりできた選択肢を有効に使い、3戦目までの勢いも消さなかった。
ラミレス体制1年目の昨季も3位でCS出場を果たしたが、ファイナルSで広島に1勝4敗で沈んだ。「初めてということで、どうしていいか分からないところがあった」と振り返り、「今年はいいアイデアがあります。やり方もよく分かっている」とファイナルSの初戦前から自信をみなぎらせていた。前年の悔しさ、経験を糧に、今季の同舞台へつなげた。
チームの力が結集し、勝ち星を積み重ねたラミレスDeNA。28日から始まる日本シリーズでも、指揮官がどのような采配を見せるか注目していきたい。(デイリースポーツ・田中 哲)