【野球】DeNA今永、侍JAPANで再確認した一流の流儀
早くもエースとしての自覚が伝わってきた。来季、悲願の優勝を狙うDeNAで大きな期待を集める今永昇太投手。今オフの自主トレ先に地元・北九州を選んだ理由から、意識の高さがうかがえた。
「自分で考えてやろうと思って。やりやすい環境でやるより、誰も見ていないところで、日々不安を持った中でやらないといけない。長浦(2軍施設のある横須賀市長浦町)だと何でもかんでもありすぎるので。3年目なので、自立しなければいけない。自分で球場を探して、ホテルも予約します」。
プロ2年目の今季は11勝(7敗)を挙げ、昨季の8勝(9敗)から着実に成長を遂げた。ただ、「3年やって一人前」と言われるプロの世界。開幕投手の有力候補にも挙がる今永にとって、来季こそ真価を問われる1年となる。
大事なオフシーズン。当初は単独で自主トレを行う予定だったが、同郷の楽天・森が志願して参加。結局ふたりで行うことになったものの、自分自身と向き合い、徹底的に下半身を強化する考えに変わりはない。
目指すべき方向性を再確認できたのが、11月に侍ジャパンの一員として出場した「アジア プロ野球チャンピオンシップ」。若手中心のメンバー構成だったが、巨人・田口や広島・薮田ら他球団で活躍する選手の姿から、多くの刺激を受けた。
「そういうところに選ばれる選手は、いい意味で群れないんだと思いましたね。個々のルーティンがあり、練習方法も確立されている。誰ひとり、同じランニングメニューをこなしている人がいませんでしたね」。
今オフは退寮し、一人暮らしも始まる。より自覚も求められる立場になるが、ストイックに練習する今永に余計な心配は不要。球界を代表する左腕へ、大きく羽ばたく可能性もありそうだ。(デイリースポーツ・佐藤啓)