【サッカー】東京五輪への登竜門へ 大学サッカー新人戦開催
大学サッカー界の冬の祭典、全日本大学サッカー選手権(インカレ)が13日、首都圏で開幕した。同じ12月ににインカレと日程、時間帯が重ならない形で、初の試みとして「全日本大学サッカー新人戦」が開催されることになった。
新人戦の参加資格は大学の1、2年生に限られる。大学関係者は「大学サッカー界は層が厚く、強豪校になれば高校時代に代表に入ったり全国大会で活躍したりした選手でも1、2年生では出られないことがある」と説明する。若年層に試合出場の機会を与えるものであると同時に、もう一つの目標がある。東京五輪だ。
年齢制限のあるサッカーでは、97年1月1日以降に生まれた者が“東京五輪世代”。現役で大学に進んだ場合、大学1、2年生は、ほぼ東京五輪世代と重なる。「東京五輪に当たる年齢の選手に試合経験を積ませたい」と狙いを明かした。
Jリーグを頂点とした日本サッカー界。ユース世代からクラブ下部組織に所属し、昇格するエリート組。高校サッカー界で名を残し、Jリーグ入りする者も多い。その一方で実は大学サッカー界も多くの有望選手を輩出している。
例えば昨季のJリーグMVP中村憲剛(川崎)は中大出身。今季のMVP小林悠は拓大出身。そして国内組で編成された東アジアE-1選手権の日本代表23選手のうち8選手が大学サッカー界でプレーしてきた。
「新人戦」は各地区代表で争う全国大会ながら、北海道、東北、北信越、東海、四国、九州の6地区は地区大豊を擁立できず、選抜チームによる出場になる。それでも開催に踏み切ったのは、東京五輪から逆算してのものに他ならない。
大学サッカー界から五輪へ。旗揚げした新人戦が、今後の五輪への登竜門になるかもしれない。(デイリースポーツ・鈴木創太)