【野球】ロッテの顔・鈴木、来季はまた飛躍の予感、三塁転向にも井口監督は信頼
ロッテの顔・鈴木大地内野手(28)が7年目を迎える来季はまた、新たな顔を見せてくれそうだ。
ロッテは今季、開幕から低迷し、6年ぶりの最下位でシーズンを終えた。
チーム打率は1割台が続き、と同時に投手陣も連鎖反応を起こした。特に4、5月は非常に苦しかった。
そんな中で孤軍奮闘したのが鈴木だった。一時は4番にも座り、チームを引っ張ってきた。死球数「18」はパ最多だ。
シーズンが終了し、最も苦しかった時期を「明日も負けたらどうしよう。きれい事ではないが、(自分が)打ってもうれしくなかった」と振り返り、こう言った。「メチャクチャな精神状態だった」
どんな試合展開でもベンチで大声を出して鼓舞する姿があった。主将としての責任感からだった。
東洋大野球部では3年時から副主将を務め、4年時は主将となった。当時からチームをまとめる強いリーダーシップがあった。
伊東勤前監督は鈴木を高く評価し、14年から主将に任命。プロ3年目の若さだったが、今季まで4年連続で主将を務めた。
だが、井口監督はチームの「主将制度」を廃止した。鈴木への信頼は変わらないが、「全員が主将になってほしい。個人個人がそんな気持ちを持ってほしい」とナインに自覚を促したのだ。
絶大な信頼。それは来季から三塁へのコンバートでも分かる。
鈴木は13、16年と遊撃でベストナインを受賞、17年は二塁にコンバートされたが、その二塁でもゴールデングラブを受賞した。
異例の2年連続コンバート。鈴木の送球面の安定もさることながら、井口監督は「三塁はホットコーナーと言われる。熱い気持ちを持った選手がやってほしい」と話している。
鈴木を主将の呪縛から解放しながらも、これまで以上に熱い気持ちでプレーしてもらいたい。こんな願いが込められている。
鈴木は早くも三塁の“見本”にソフトバンクの松田を挙げる。
「チームメート、そしてファンを魅了するプレーヤー。ホットコーナーのプレッシャーに負けないように声を出していきたい」
主将を務めた4年間を「いい経験をさせてもらいました」と感謝しつつ、「これからもやることは変わらない」と前を見据える。
2年連続143試合出場の鈴木が来季、143試合フルでの三塁出場に挑戦する。
新生・井口ロッテの“要”となる男は変わらない。(デイリースポーツ・菊地順一)