【競馬】きっかけはベテラン騎手のひと言 ダートG1馬モーニンが芝初挑戦
年末を迎え、大一番が続く競馬界。今週は有馬記念に話題が集中しがちだが、個人的に目が離せないのが前日の23日に行われるG2の阪神カップだ。
14年皐月賞馬イスラボニータの引退レース。リピーターが多いレースだけに、連覇を狙うシュウジも要注意だろう。マイルCS3着のサングレーザー、同4着の桜花賞馬レーヌミノル、4連勝中のモズアスコットなど、勢いのある3歳勢も加わって大混戦となりそうだ。
そんな中で、復活を期す一頭のG1馬がいる。16年フェブラリーSの覇者・モーニン(牡5歳、栗東・石坂正厩舎)だ。キャリア17戦目で、今回が初めてとなる芝の一戦。担当の濱名浩輔助手によると、そこにはあるベテランジョッキーの言葉があったのだという。
「前走後に“先生、この馬、芝使ったことないの?”って。あれだけの一流ジョッキーがそうやって言ってくれるんだから、全く駄目じゃないと思う」。
助言の主は、武蔵野S(9着)で騎乗した横山典弘騎手。今回はシュウジが先約で、岩田康誠騎手とコンビを組むが、「岩田さんは馬をその気にさせるのがうまいジョッキー。合うと思う。坂路で4F48秒台が出る馬。これまでも芝スタートで置かれることはなかったし、スピードは間違いなくあるので」と、同助手は未知の挑戦を前向きに捉えていた。
G1初制覇の栄冠から、約1年10カ月。2度の2着はあるが、9連敗と勝利から遠ざかる。「馬の体は成長を感じるし、まだ若い。調教も動いているし、具合もいい。なんで走らへんの?って感じなんやけど…」と首をかしげる。何度も繰り返したのが“気持ち”の部分。「力は一流だから。走る気さえ、取り戻してくれたら。それが、この馬の抱えている問題」と、試行錯誤を繰り返してきた。
ブリンカーなどの馬具を取り入れたり、調整法にも工夫を施した。レースを途中でやめてしまう部分を修正すべく、最後に頑張る競馬を教えようと後ろから差す競馬にも取り組んだ。どの刺激が効果を生むのか、担当馬と向き合う日々。明確な答えがないだけに決して楽ではないが、「1個、G1を勝っただけで終わる馬じゃない。馬を信じてやっていくしかない」と、気持ちがぶれることはない。
「うちの厩舎でも、この時期にジェンティル(ドンナ)が有馬記念で復活したしね。復活って一番難しいけど、この馬にも何とか頑張ってほしい」。先輩が担当した僚馬が14年に2年ぶり2度目の年度代表馬に輝いた時は、3月のドバイシーマクラシック以来、約9カ月ぶりの勝利で有終の美を飾った。舞台も、状況も異なるが、再び勝利を願う気持ちに変わりはないだろう。
「馬が最後までしっかりと走ってくれれば。そうすれば来年につながるから」。芝初挑戦の今回は、ぜひ、走る気になったモーニン本来の姿がみたい。(デイリースポーツ・大西修平)

