【野球】日本ハム近藤 “コンちゃんノート”で4割打者誕生!?
大谷翔平がエンゼルスに移籍し、パ・リーグから強打者が一人いなくなるが、今季、興味を持って見ていきたいのが、パ・リーグの首位打者争いだ。日本ハム・近藤健介捕手はタイトルの可能性を秘めた選手。昨年は57試合で打率・413。腰椎椎間板ヘルニアの手術により、4割打者誕生は幻に終わったが、タイトル取りへ意欲を燃やしている。卓越した打撃術を持つ近藤の史上初の4割首位打者の期待も膨らむ。
近藤は昨年末、今季の目標について「首位打者は目指してやっていきたいです。パ・リーグはいいバッターが多いので、具体的な数字を言うなら、3割5分は打たないといけない」と明確な目標を口にした。
昨年は、開幕から離脱するまでの6月上旬までヒットを量産し続けた。飛躍の一員に“近藤ノート”への書き込みがあった。近藤がノートにつけていた反省や日々の出来事のことで、読み返しては、成長につなげていた。
日々の試合に役立てていた近藤ノート。「城石打撃コーチにも言われましたけど、常に気持ちの浮き沈みなく(気持ちを)維持していけと言われました。今年に関しては、がっついてヒットを打ちにいくのではなく、ひとつの出塁にぶれずにできた」。ベンチで近藤はノートを読み返し、打席に立っていた。それを見ていた城石打撃コーチも、近藤の打撃を客観的に見て、気づいたことを近藤ノートに記し、手渡す。それを近藤も読み、不調に陥りそうな時は打開していた。
選球眼の良さで、出場数を上回る60四球を選び、1日安打数は1本を目標に掲げ、そこを実戦。打てなくても気持ちに左右されず、安定した成績を残してきた。
心技体ともに申し分ない近藤にとって、1年通して出場できるかが首位打者タイトル取りへの鍵と言えよう。15年に規定打席に達した以降はケガにより出場試合数の減少に苦しんだ。今オフは股関節、ろっ骨周辺の柔軟性を高めるトレーニングに強化に取り組んでいる。「全試合出場したい」とチームの中心打者としても自覚をみせる。
キャンプインまで、昨年までは千葉・鎌ケ谷を拠点に自主トレを行っていたが、初めて遠出し、鹿児島・徳之島で自主トレを行う。「人が多いところより自分を磨ける」。1月はドラフト1位・清宮が新人合同自主トレに励む鎌ケ谷を離れ、静かな場所で、黙々と打撃の礎を築く。(デイリースポーツ・水足丈夫)