【野球】日本ハム・ドラ7宮台、憧れていた京大出身の元ロッテ・田中英祐氏への思いとは
青春時代を究極の文武両道で駆け抜け、ドラフト7位で日本ハムに入団した宮台康平投手(22)=東大。異彩を放つ秀才左腕には、憧れの先輩がいた。京大から14年度ドラフト2位でロッテに入団し、昨年10月に戦力外通告を受けた田中英祐さん(25)。ドラフト1位・清宮とともに注目が集まる青年に、現在の心境を聞いてみた。
東大文科1類に現役で合格した2014年、宮台は野球部の門をたたいた。期待と不安が入り交じる毎日を過ごすと同時に、プロ野球選手への憧れは日増しに大きくなる。鍛錬に励み、同年の東京六大学秋季リーグ戦で神宮デビュー。大きな一歩を踏み出したとき、心に響くビッグニュースが飛び込んできた。
「京都大学出身の田中英祐が、ロッテにドラフト2位で入団!」
言わずと知れた難関大学から、日本球界最高峰の舞台へ。宮台は携帯で何度もニュースを見返し、究極の文武両道を成し遂げた先輩の足跡を追った。「学生のとき、ずっと見ていました。すごい方だなあと思っていましたし、刺激を受けていましたね」。田中さんの生い立ちと自身の生い立ちを重ねる。3歳上のプロ野球選手に憧れ、目標は明確になった。
大学4年間で通算38試合に登板して6勝13敗、防御率4・26。あの衝撃から3年後、左腕は日本ハムファイターズのユニホームに袖を通した。だが、憧れの人は既にマウンドから姿を消していた。昨年10月に戦力外通告。入団前に内定を得ながら辞退していた三井物産の採用試験を受け、見事合格していた。
「田中さんはもう、次の道を歩み始めていますよね。どうなるか分からないですけど、僕はこの道で頑張りたいと思っています」
入れ替わる形で、宮台は目標の場所にたどり着いた。ポケット六法は机の隅に置き、トレーニングの専門書のページをめくる。「今まで以上に野球に時間を費やせる」。ブルペン投球も開始し、キャンプインに向けた調整は順調だ。もう、後戻りはできない。
1月14日に鎌ケ谷の室内練習場で行われた「2018年 新入団選手歓迎式典・交流会」。宮台は1年目の抱負を問われ、「武」の一字に思いを込めた。「これからはこっち一本でいきます」。清宮に負けないくらい、左腕に注がれる声援も熱い。次なる夢は、田中さんが果たせなかった思い。1軍で活躍し、新時代の先駆者になる。(デイリースポーツ・中野雄太)