【野球】カープ3投手「2段モーション」は歓迎 「申告敬遠」は賛否

練習の合間に大瀬良(左)と談笑する薮田
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 1月11日に行われたプロ、アマ合同の日本野球規則委員会で、公認野球規則(ルールブック)が改定された。投球動作の「2段モーション」を反則投球とする日本独自の項目が削除され、また、投球せずに敬遠四球にすることができる「申告敬遠制」がルールブックに記載された。これらの変更は投手にとってメリットとなるのか。12日にマツダスタジアムへ練習に訪れていた広島の3投手に率直な感想を聞いた。

 まずは2006年に反則投球とされた「2段モーション」が突然OKになったことについて。大瀬良大地投手は「(反則投球を)気にしなくていいのはいいと思う。自分の投げやすいリズム、バランスで投げられる」と自身の経験から語った。

 昨季途中に投球フォームをマイナーチェンジ。左足を上げた際に「一瞬止まっているかな」という不安があったという。すぐさま2段モーションに変えることはないが、「そっちの方が投げやすいとなれば、そうなるかもしれないです」と否定はしなかった。

 昨季15勝を挙げ最高勝率に輝いた薮田和樹投手は「昔はそうでした」と、かつて2段モーションだったことを明かした。その後、投球フォームを変更し、「ダメになる前に変えたので、もう気にならない」と言う。守護神の中崎翔太投手は「自分は(2段モーションで)投げられない」としながらも、投手にとって投球フォームは「バッターを打ち取るための技術、武器」と表現した。昨季、西武・菊池雄星投手が反則投球を繰り返し宣告されたことを挙げ、「今までの規定が曖昧だった。特定の選手が言われないなら、ピッチャーにはプラスになる」とした。

 「申告敬遠制」については3投手とも歓迎モードだった。大瀬良が「僕は気にならないけど緩い球を投げるのが苦手な人もいる」と言えば、薮田も「球数と時間の短縮になる」とメリットを挙げた。ただ、投手という立場を離れると一概に賛成とは言えないようだ。中崎は「何でもアメリカと同じにしていいのかな」と首をかしげ、「野球は投手が球を投げて始まるスポーツ。暴投や敬遠の球を打ったシーンもあったし、野球じゃなくなる」とと憂いた。大瀬良もそうした敬遠を巡るドラマも「野球の醍醐味だった」と指摘した。

 「申告敬遠制」がルールブックに記載されることで、従来通り4球投げる敬遠や、事前に申告し、1球も投げない敬遠、さらに例えばカウントが2ボールになった後に申告し、残り2球を投げずに歩かせることも可能になる。中崎は「チームの方針として、(どの敬遠を選ぶか)決まると思います」と話した。(デイリースポーツ・杉原史恭)

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