【サッカー】J2徳島、失意の敗戦から「巻土重来」目指す
雪辱への強い思いが4文字に表れていた。14日に行われたJ2徳島の新体制発表会。会場に詰めかけた熱心なサポーターを前に、岸田一宏社長から披露された今季の新スローガンは「巻土重来(けんどちょうらい)」。敗れ去った者が再び勢いを取り戻して巻き返す、という意味だ。本来は「捲土-」と書くが、徳島らしく渦潮のイメージで「巻」の字が使用されている。
悔しすぎる結果に終わった昨シーズン。引き分けでもJ1昇格プレーオフ進出(3~6位)が決まる11月19日の最終節・東京V戦で、徳島は終了直前に勝ち越し点を許し、1-2で敗れた。開幕当初から攻撃的なサッカーを繰り広げてPO圏に絡みながら、最後の最後で7位に転落。わずか勝ち点1が足りず、4季ぶりJ1復帰への道が絶たれた。
短いオフを終えた選手たちは11日、2018年シーズンに向けて始動した。昨季主将としてチームを引っ張ったMF岩尾憲(29)は「あの日で止まったままの時間を動かすために、これから厳しい毎日が始まる。足りなかった勝ち点1を大きな差と受け止めて、全力を尽くしたい」と厳しい表情で意気込みを口にした。
昨季23ゴールで得点ランク2位のFW渡大生と、サイドで奮闘したMF馬渡和彰がともにJ1広島へ移籍するなど、多くの選手がチームを去った一方で、徳島にも12人の新戦力が加わった。岐阜からスペイン出身のテクニシャン、MFシシーニョ(31)を獲得。G大阪からはストライカーとして期待が大きいFW呉屋大翔(24)が期限付き移籍で加入した。17日には、スペイン2部でプレーしていた元コスタリカ代表GKカルバハル(29)の期限付き移籍での獲得も発表された。
チームは高知での1次キャンプを21日に打ち上げ、23日から宮崎で2次キャンプを開始。2月3日までの期間にJ1鹿島、横浜Mなどと練習試合を重ね、戦術を磨き上げる。開幕戦は2月25日、ホームで岡山との対戦に決まった。「我々には達成したい目標がある。それを実現できるように、チーム力を高めていきたい」と就任2年目のリカルド・ロドリゲス監督(43)。失意の敗戦から力強く立ち上がり、「巻土重来」のシーズンに乗り込む。(デイリースポーツ・浜村博文)