【野球】広島キャンプ地に「カープ駅」誕生 真っ赤な駅舎のカープ油津駅
2月1日から始まるプロ野球の春季キャンプ。昨季リーグ連覇を果たした広島は、56年目となる宮崎県日南市でのキャンプを迎える。キャンプ地では街全体で盛り上がるために、球場から最寄りの油津駅舎の“カープ化”を進めている。2月4日のオープニングセレモニーで完成となる予定だ。
今まで白を基調としていた油津駅は真っ赤に染まった。通称「カープ油津駅」へと一新。駅舎には球団のマスコットキャラクター・カープ坊やや球団ロゴも描かれており、同駅ではファンが記念撮影する姿も珍しくない。昨年は油津商店街から球場に続く「カープ一本道」の歩道部分など一部が、赤く舗装された。年々、街がカープと一体化されている。
「カープ駅」実現への発起人となったのは株式会社油津応援団の代表・黒田泰裕氏。経緯を、こう語る。
「去年2連覇したけどCSで負けてしまって、ここからカープを応援しようという声も高まっていきました。日本一のカープ駅にすれば町も盛り上がる。JR日南線も乗客が少なくて赤字になっていて、みんなが注目して乗り降りする人が増えるようにというのもあります」
動き出したのは11月初旬。JR九州に快諾を得た上で、黒田氏は自ら広島に赴き、球団にロゴなどの使用許可も得たという。改装への資金は、インターネットを通じて出資し支援する「クラウドファンディング」で募った。全国各地から支援が集まり、目標の200万円には既に到達。反響も大きく、広島在住のファンからも「ありがとう、カープのためにしてくれて」などの声も上がっているという。
駅舎の一部の塗装は始動日となった1月14日、約200人の市民やファンの手によって行われた。前日の13日には「カープと共に日本一」などのメッセージを市民らがそれぞれ駅舎に記した。真っ赤な色の奥にはカープを応援する者たちの、熱い思いも宿られている。
4日のセレモニーでは緒方監督が最後の一塗りを行い、「カープ油津駅」が出来上がる。「球場に来られた方は、街も見てほしいですね」と黒田氏。今年の日南は、さらに活性化することになるだろう。(デイリースポーツ・田中哲)