【野球】カープ15年目ドラ1捕手の現在地 後輩・中村奨のサポート約束
広島のドラフト1位・中村奨成捕手(18)=広陵=が大きな注目を集める中、かつてのドラ1も燃えている。プロ15年目の白浜裕太捕手はキャンプインまでマツダスタジアムに隣接する室内練習場で黙々と自主トレを継続。「1年、1試合、1球、1プレーが命取りになる。少ないチャンスを無駄にはできない」。不退転の覚悟を持って、オフ期間も練習に励んできた。
白浜は堺市出身。幼少時代は甲子園へ阪神-巨人戦をよく観戦に訪れたという。高校は広陵へ進み、西村(巨人)とのバッテリーで、2003年のセンバツ大会優勝。同年秋に広島からドラフト1位指名を受け、赤いユニホームに袖を通した。あれから15年。12年に自己最多35試合に出場、14年にプロ初本塁打を放ったが、ファーム暮らしも長い。昨季は1軍で3試合の出場だった。
チームの捕手争いはし烈だ。昨季は会沢が主戦捕手としてベストナインを獲得。ベテラン石原も健在で、磯村も第3捕手として存在感を高めている。さらに2年目の坂倉は打撃の評価が高く、今春キャンプは初の1軍メンバー入りを果たした。
取り巻く状況は年々厳しさを増すが、白浜の気持ちがぶれることはない。「ファームでも1軍でも試合の重みは変わらないと思っている。ファームできちんとやっていないと、1軍ではやれない。常に1軍で出た時のことを思ってやっている。だから1軍に呼ばれても、緊張することはない」。1、2軍を繰り返す日々が続いても、モチベーションは高く維持したままだ。
今春キャンプは新人全員が2軍スタート。近い将来、1軍でバッテリーを組むことを想定し「いろんな会話ができたらいい」とうなずく。積極的にコミュニケーションを図り、それぞれの特徴をつかむ考えだ。
広陵の後輩である中村奨に対しては「プレーで遠慮していてはダメ。走るときは前に出た方がいい。声も出した方がベンチが活気づく。僕なりに当たり前のことは言っていきたい」とサポートを約束する。広陵、甲子園出場、高卒ドラ1捕手…。中村奨は自身と重なる部分が多いが、「(中村奨は)スター中のスターですから。僕とは違う」と首を横に振る。後輩の模範となり、がむしゃらな姿勢でプロ15年目のシーズンへ臨む。(デイリースポーツ・杉原史恭)