【野球】巨人の正捕手争い、重視するのは攻撃力か守備力か

 4年ぶりのV奪回を狙う巨人で、キャンプの見どころのひとつとなっているのが正捕手争いだ。昨オフのドラフトで、育成も含めて4人の捕手を獲得。ベテランの相川と実松がチームを去り、一気に顔ぶれが若返った。

 1軍スタートは小林誠司、ドラフト2位・岸田行倫、田中貴也の3選手。ドラフト3位・大城卓三は2軍、昨秋左手首を痛めた宇佐見真吾は3軍から、虎視眈々(たんたん)と正捕手の座を狙う。

 レギュラー争いの中心に座るのは、小林だろう。ルーキーイヤーの14年から着実に出場試合数も増加。昨季は、WBCでも侍ジャパンの正捕手を務めるまでに成長した。

 だが、伝統的に阿部慎之助ら「打てる捕手」がレギュラーを務めることが多い巨人。小林の攻撃力に、物足りなさを指摘する声は少なくない。昨季は138試合の出場で打率・206、2本塁打、27打点。オフの契約更改でも、400万増の5400万円と球団の評価は辛かった。

 ただ、守備の貢献度は大きい。昨季の盗塁阻止率・380は2年連続リーグトップ。盗塁企図数は一昨年の「73」から「50」に減ったことからも分かるように、その強肩で相手に恐怖心を植え付けている。昨年は積極的に投手陣をけん引しようとする姿勢も、より目立つようになった。

 キャンプ地を訪れた本紙評論家・関本四十四氏は、小林の存在感を評価。逆に、ドラ2の岸田については「肩は素晴らしい。ただ、キャッチングで小林との差が大きい。ミットが流れるよな。菅野が何回も苦笑いしていた」と、課題を挙げた。

 新人捕手にとって、プロのキャッチング技術が“壁”になることは少なくないという。「最も難しいのは田口のような、左投手が投げる右打者への内角に食い込むスライダー。これを流さないように捕れるかが、一流の技術。岸田はまだ1年目ということもあるし、キャンプでどこまで慣れていくか」と注文をつけた。

 昨季21試合の出場で打率・350、4本塁打の宇佐見の課題も守備力。昨季は7度の盗塁機会で全て刺せず、阻止率0割。小林との差は歴然としている。

 今季からバッテリーコーチを兼任する村田ヘッドコーチは、小林に「打率・270」のノルマを与え、キャンプでバットを振り込ませている。絶対的な守備力を誇る小林。課題の打力でアピールを続けることができれば、文句なしの正捕手として君臨することになる。

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