【野球】阪神投手陣が高速クイック 広島の足技封じる
春季キャンプも中盤を迎え、シーズン開幕も近づいてきた。2005年以来13年ぶりのリーグ優勝を目指す阪神。悲願達成に向けて相手チームの足技を防ぐべく、投手陣はクイックモーションに磨きをかけている。
沖縄・宜野座のブルペン。香田、金村両1軍投手コーチがストップウオッチを取り出し、投球モーションの計測を始める。投球動作の始動から捕手のミットに収まるまでの時間を、何度もチェックした。
プロの投手のクイック投法は1・20秒台が及第点。チーム最速は青柳で1・10秒を切る。得点圏に走者を進めないために、盗塁や進塁を阻止しなければならない。そのためには、タイムを上げるとこが重要となってくる。
今キャンプから桑原、石崎が高速クイックを習得中だ。僅差の試合で登板することが多いセットアッパー。金村コーチは「大事な場面でいく時が多いからね。走られてピンチを広げられないように」。隙をなくすため、平均的に1・15秒を目指す。
機動力を阻止できれば勝機はグンと上がる。リーグ連覇を達成した広島が脅威を誇ったのは、足を使った攻撃。田中がリーグ最多の35盗塁。チームとしてもリーグトップの112盗塁で機動力を生かした攻撃で他球団を圧倒した。
特に阪神は広島戦で5球団最多の30盗塁を許し、リーグワーストの盗塁阻止率・222とかき回された。何度もやられる訳にはいかない。明確となっている課題を克服し、つけ入る隙を与えない。
3月30日の開幕戦・巨人戦(東京ドーム)まで残り約1カ月。チーム力を向上させ、2018年の頂点へと立つため、鍛錬の日々を送る(デイリースポーツ・井上慎也)