【野球】初めてフルメンバーで挑む3月強化試合 稲葉野球の真骨頂とは…

ヤクルトキャンプへ視察に訪れた侍ジャパン・稲葉篤紀監督。後方は山田哲人=沖縄県浦添市(撮影・堀内翔)
3枚

 「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督(45)が、2020年東京五輪に向けた試金石の“2番勝負”に挑む。日本代表が、オーストラリア代表と対戦する「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018」(3月3日・ナゴヤドーム、同4日・京セラドーム大阪)。同監督が初めてフル代表で臨む強化試合。“稲葉野球”の真骨頂に迫った。

 注目度が高まっている。3月のオーストラリア代表戦の2試合。昨年11月の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」で初陣を優勝で飾った稲葉監督が、今回初めてフルメンバーで采配を振る。

 1月23日の会見で「トップチームが始動いたします。身が引き締まる思いでもあります」と強い決意を示した指揮官には、08年北京五輪、09年と13年にWBC日本代表、昨年はWBC日本代表の打撃コーチを務めた豊富な国際経験がある。その経験を生かし、今回は“稲葉色”を出そうとしている。

 戦力面での理想は、偏りがないこと。キーワードは“バランス重視”だ。オーストラリア代表戦のメンバーは、既に筒香嘉智外野手(DeNA)ら主力6選手が決まっており、残り22選手は今月中に発表されるが「4番バッターばっかり集めてもダメだと思います」と語る。

 求めるのは、大技、小技を駆使したバランスのある野球だ。「スピードだけでもダメですし、パワーだけでもダメ。スモールベースボールという印象はあまり付けたくない。機動力を使えてパワーもある、というところは、しっかりやっていきたい」。これが就任以来掲げてきた“稲葉野球”の真骨頂だ。

 スモールベースボールだけに頼らない-。これまでの日本代表はバントなど小技を多用し、僅差で勝ち抜くことを想定してきた。稲葉監督の采配は違う。積極的に走る機動力&パワフルな攻撃力をミックスした野球-。これこそが、国際試合で強敵に太刀打ちするための“方策”だと考えているのではないか。トリプルスリーを達成し、規格外のパワーも持つ柳田悠岐外野手(ソフトバンク)をメンバーに入れたのも、その野球を確実に体現するためだ。

 フル代表の今回は、2020年東京五輪を見据え、稲葉監督が神髄を見せる。そのタクトにも大いに注目が集まりそうだ。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス