【野球】生き残りをかける巨人の若手選手に待ち受ける高いハードル
プロ野球のキャンプも終盤に差し掛かり、オープン戦に突入した。巨人のオープン戦は19試合。レギュラー取り、生き残りをかける若手にとっては、昨年以上の高いハードルを乗り越えることが求められる。
昨年はWBCで菅野、小林、坂本勇が不在の中で、アピールの場が用意されたが、今年は違う。さらに昨季本塁打王のゲレーロが加入し、野手陣は厚みを増した。高橋監督はオープン戦から、ここまでの実戦出場のなかった坂本勇、阿部、外国人選手を起用していく考えを明かしており、若手のチャンスは昨年ほど多くはない。
「今まで、そんなに多くはないけど何試合かは与えたつもりだし、ここからは与えられた中でどれだけ結果を残していくか。それはシーズンでも同じことだと思うからね。やっぱり与えられたチャンスの中で、つかんでいかなくちゃならないから。そこは少ないとか多いとかは言い訳、言い分にはならないと思っている」
指揮官は厳しい口調で結果への執念を求めた。若手の台頭が昨年も今年もチームの至上命題であることは変わらない。キャンプ中から実績十分の陽岱鋼、長野を右翼で競わせ、中堅を“空ける”ことで、アピールを求めてきている。ただ、結果が出なければ長く待つことはしない。限られた時間の中でのアピールのみがレギュラー奪取への道となる。
厳しい戦いを、ヤングGも覚悟する。一塁で阿部、三塁でマギー、左翼でゲレーロとどのポジションでも強力なライバルと競う和製大砲候補の岡本は「人より打たないといけない。波を少なくして開幕1軍にいられるようにしたい」と話せば、中堅のレギュラー候補の重信は「出塁しないといけないので、おのずと打たないといけない。限られた中で結果を残さないと」と表情を引き締めた。
昨年のオープン戦は最下位に沈み、最終的に4位でシーズンを終えた。オープン戦の戦い方を「選手起用以外は普通にやる。負けてもいいなんて思っていないし」と話した指揮官。
開幕まで1カ月強。昨年以上に、結果に飢えてぎらつく若手の姿が見られるか。(デイリースポーツ・野畑圭司)