【芸能】藤井六段、記録目白押しの年度末 フィーバー再来に注目
最年少棋士の藤井聡太六段(15)の快進撃が止まらない。2月17日には羽生善治竜王(47)らを破り、最年少棋戦優勝を果たし、史上最年少六段に昇段。自身が昨年樹立した29連勝に続く連勝記録を更新中だ。歴代年度記録でも複数の部門でトップ10入りを確実にし、29連勝達成以降、最大の注目が集まっている。再び日本中を巻き込む“藤井フィーバー”は到来するか。
昨年6月、デビュー以来無敗で29連勝を達成し、将棋界の連勝記録を30年ぶりに更新。その過程で大きな注目を集め、一躍、時の人となった。その後も驚異的なペースで勝ち星を挙げ続けていたが、出場した棋戦トーナメントでの優勝はならず、記事での扱いも少なくなっていた。
そんな中、藤井六段に再び、注目が集まっている。状況が一変したのは1月14日の「朝日杯将棋オープン戦」準々決勝で佐藤天彦名人(30)を破ったあたりだろう。
もちろん、昨年12月に初めてA級棋士を撃破した際など、ニュースにはなったが、それほどの盛り上がりもなかった。2月1日に順位戦で9連勝を飾り、史上初の中学生五段に昇段。同17日には朝日杯で羽生竜王、広瀬章人八段(31)を破り、棋戦最年少優勝、さらには最年少六段に昇段した。一連の昇段は関係者も「超絶スピード」と舌を巻くほどだった。
先日の羽生竜王との対局は、取材に40社120人の報道陣が殺到、取材に規制を設けるほどだった。結果的に平昌五輪の羽生結弦選手(23)の五輪連覇と重なり、話題は分散。注目度抜群の「国民的対局」と見ていただけに棋界関係者は悔しさをにじませたが、大きな注目を集めたことは間違いない。
年度末となる3月末に向け、本年度の主要記録のうち「対局数」「勝数」「連勝」の3部門での首位は確実で、「勝率」も現在トップを走る。主要部門独占、“4冠”の期待もかかっている。さらには現在進行している竜王戦で2連勝すると、七段に昇段する。
現役棋士らが「将棋が進化している」と口をそろえるが、藤井六段はまだ、実質的にはデビュー1年度目。本年度末に歴代勝率記録などを更新すれば、29連勝に匹敵するフィーバーが起こるかもしれない。「漫画の世界を上回る」とも評される活躍から、ますます目が離せない。(デイリースポーツ・石井剣太郎)