【競馬】JRAが馬場の含水率公表へ 予想の新たな指標になるか
5日にJRAから興味を引くような発表があった。それは競馬場の馬場に関するもの。今年の7月27日からJRAホームページ上で、開催競馬場の含水率が公表されることになった。
含水率とは馬場に含まれている水分の割合を、重量を基準としてパーセントで示すもの。現在、JRAは最も乾燥している状態から“良”“稍重”“重”“不良”の4段階に分けている。ただ、含水率を発表するようになってからも、従来通り馬場担当者が実際に踏査した上で、複数の箇所で測定された含水率を参考として総合的に判断することになるようだ。一概に数字だけで決めるものではない。
数値に関しても、公表されるのは開催前日(通常金曜)の正午ごろ、開催当日(通常土曜、日曜)の午前9時20分ごろに限られており、午後のレースに関しての正確な数値は出ない。また、芝コースは各競馬で使用している路盤の材料等が同一ではないため、含水率と馬場状態の区分の関係性は競馬場によって違いが生じる。
曖昧なところはあるなというのが記者の正直な感想。ただ、これまでの4段階表記とは違い、そこに含水率という数値が加わるのは意味があると思う。実装されて多くのデータを採取してからではないと何とも言えないが、馬場状態をこれまでより細分化できるからだ。これはレースの予想をする上でひとつの指標にはなる。
例えばレースレベルの判断。馬場の含水率と走破時計を比較することによって、これまでより正確なジャッジができるはず。同じ重でも含水率を参考にすれば、稍重に近い重、不良に近い重なのかなど、細かく区分できる。良馬場の場合もレコードタイムが記録されたとしよう。そのレコードが含水率によってパンパンに乾いた良馬場なのか、水分を含んでいる良馬場なのかで価値は変わると思う。その判断材料として使える。探せば、他にも利用方法はありそうだ。
JRAの新たな試み。実際にサービスが始まってからではないと分からない部分はあるものの、競馬担当記者としては予想的中のために、使えるものは最大限に活用したい。(デイリースポーツ・小林正明)