【野球】広島・上本、究極のユーティリティー目指して 内外野守備に両打ち

 2月、カープのキャンプ地に上本の元気な声が響き渡った。チーム一のムードメーカーが持ち前のセンスと努力で自らの可能性をさらに広げた。昨秋から外野に挑戦。この春も広瀬外野守備走塁コーチ指導の下、早出練習や特守を重ね、「少しずつ良くなっていると思います」と手応えを感じ始めている。

 異例の光景だった。2月16日の紅白戦では打席に立たず、外野守備でフル出場。左翼、中堅、右翼、すべての守備位置に就き、好プレーまで披露した。軽やかな身のこなしは内野手らしいセンスの良さを感じさせるが、上本は外野独特の難しさを感じているという。

 「ハンドリングは似ているんですが、風の読みとか、打球判断、ボールとの距離感、ボールとバットが当たるときの判断が難しい」

 昨季は代走、守備固めとして自己最多の37試合に出場。田中、菊池、安部、西川ら好打者がひしめく内野で存在感を発揮した。今季は外野も守ることで、さらなる出場機会の増加を狙う。高ヘッドコーチはその守備力を高く評価。今季は「外野の守備固め」としても考えているという。

 両打ちの打撃も成長中だ。途中出場した同22日の韓国KIAとの練習試合(コザ)では中越え二塁打。それでも上本は「打席のチャンスをもらえたら結果を残したい。でも、まずは守備と走塁です」と力を込めた。

 オープン戦に入ってからも2月24日の楽天戦では途中出場し、ショートのポジションに就くと、3月3日の西武戦では途中出場し、代走からセンターへ。同4日の西武戦はショートでフル出場と、ユーティリティープレーヤーぶりをいかんなく発揮している。

 今やムードメーカーとしてもチームに欠かせない存在だ。キャンプ中の「声だし」では朝から声を張り上げ、お笑い芸人のギャグで盛り上げた。「強制です…。いや違います。あれも自分のカラーですから」と上本。毎晩、頭をひねってネタを考え、楽しい雰囲気作りを心がけている。

 今年8月には28歳。若いチームにあって中堅の域に差し掛かろうとしているが「自分は年齢は関係ないです」ときっぱり。そして、こう続ける。「永遠の若手ですから」-。

 今年は内野だけじゃなく、外野も全ポジションおまかせ。上本らしさを存分に発揮し、3連覇の戦力となる。(デイリースポーツ・杉原史恭)

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