【フィギュア】宮原知子 初五輪で芽生えたメダルへの思い

 平昌五輪のフィギュアスケートでは、金・銀メダルを獲得した男子の躍進のみならず、女子の健闘も光った。宮原知子(19)=関大、坂本花織(17)=シスメックス=という初出場コンビで臨み、4位と6位。女子2大会ぶりのメダル獲得はならなかったが、金・銀を独占したOARのザギトワ、メドベージェワという圧倒的な“2強”がいた中でのこの順位は、十分に評価できるはずだ。

 中でも驚いたのが宮原の変化。大会前は「練習してきたことを全て出し切りたい」という意味合いの発言に終始したが、自己ベストを更新し、ガッツポーズを見せたフリーの演技後は一転。「ここまで来たらメダルが取りたい」と話した。

 結果的に夢はかなわなかったが、帰国後に所属の関大で行われた報告会では、リハビリ仲間であるスピードスケートの高木菜那から金メダルを首に掛けてもらったエピソードを明かし「やっぱりメダルを取らないと、と肌で感じた。1番いい色を自分がゲットできるように」と力強く宣言。五輪でのメダルという4年後へ向けた目標が、より明確になったようだった。

 女子では今月行われた世界ジュニア選手権で、ロシアの13歳・トルソワが史上初めてトーループ、サルコーの2種類の4回転ジャンプを成功。紀平梨花(関大KFSC)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を武器として全日本選手権3位に入るなど、高難度化の波が巻き起ころうとしている。平昌五輪の優勝スコアはソチ五輪から約15点上がっていることを考えると、4年間でいかなる“進化”が生じるのか、考えるだけでも恐ろしい。

 今季はまだ世界選手権(ミラノ)が残されてはいるが、五輪の全演技が終了後、浜田美栄コーチは「今シーズンはリハビリで『強化』ができなかった」と振り返っている。今後への秘策があるとも話していた。

 しっかりとした「強化」を経て迎えるシーズンがいかなるものとなるのか-。五輪翌年という難しいシーズンが実りあるものとなってほしいという願いを抱きつつ、まずは「気持ちを伝えられる演技ができるように」と意気込む世界選手権で、会心の演技を期待したい。(デイリースポーツ・國島紗希)

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