【野球】真の“4割男”となるために 日本ハム近藤の『こだわり』とは?
球界を代表するヒットメーカーが、まだ雪が残る北の大地で静かに開幕の時を迎える。プロ7年目、18年シーズンは真の4割打者を目指す1年。日本ハム・近藤健介捕手は「数字は特に意識しないですけど、高ければチームに貢献できているということなので。首位打者を目指して、ムラのない打者になりたいです」と気合を入れ、汗を拭った。
昨季は外野手、指名打者として1軍戦57試合に出場。開幕から47試合終了時点で打率・415と驚異的なアベレージを維持し、日拓時代の73年に張本勲が記録した46試合を上回る新記録を樹立。腰部の椎間板ヘルニアのため50試合で記録は途切れたが、“4割男”として全国区になった。
脊椎の内視鏡手術(腰椎椎間板ヘルニア摘出術PED法)を乗り越え、今春の1軍アリゾナキャンプでは「昨年の今と体の状態は違うので。下半身だけを意識して練習しています」と打ち込みに励んでいた。過去の自分を超えるため、必要不可欠な土台の部分。一方、打撃の中であえて変えない所もあった。
それは、バットを指1本分だけ短く持つこと。16年シーズンまでは目いっぱい長く持っていたというが、昨季から「振りやすさを求めたという感じですね」と操作性を重視。173センチ、85キロの体にフィットした“相棒”の使用方法は不変だ。
オープン戦では巧みなバットコントロールで安打を量産し、14試合の出場で打率・368。2月のキャンプで捕手再挑戦を模索したが、開幕以降は外野手での出場が基本線になる。手術した患部への負担も少なくなり、より打撃に集中できる環境が整った。緒方野手総合コーチは、現状に太鼓判を押している。
「トップの位置が深く、しっかり取れているよね。それと、どの球に対しても肩と腰と膝のラインが崩れずに平行に回すことができるんだよ。みんなそこを目指しているんだけど、なかなかできないことなんだよな」
3月30日、西武との開幕戦(札幌ドーム)から始まる真の4割打者への道。「楽しみですね。不安もありますけど、楽しみの方が大きいです」。シーズン最高打率は、86年にランディ・バース(阪神)が記録した打率・389。近藤のバットが球史を塗り替える。(デイリースポーツ・中野雄太)