【野球】センバツ4強、個性派監督たちの戦い 王者に挑むのは“新米監督”

 第90回記念選抜高校野球大会はベスト4が出そろった。3日の準決勝は、1試合目・東海大相模(神奈川)-智弁和歌山(和歌山)、2試合目・大阪桐蔭(大阪)-三重(三重)で行われる。4校ともセンバツ優勝経験校で、個性的な監督の対決となった。

 1試合目は、ともに春夏通算3度の優勝経験を持つ、東海大相模の門馬敬治監督(48)と、智弁和歌山・高嶋仁監督(71)が激突する。

 東海大相模の門馬監督は、センバツでは優勝した11年以来の4強進出となった。激戦区の神奈川を勝ち進むことは困難だが、甲子園にたどり着くと圧倒的な成績を残している。

 今大会を含む直近の春夏5大会で17勝2敗。11年春、15年夏は優勝。10年夏も準優勝へ導いている。センバツは11年春から8連勝中だ。

 甲子園での戦い方を熟知しており、試合では普段通りのプレーをする必要性を説く。準々決勝・日本航空石川戦前のミーティングでは選手に「無理をするな」と指示したという。「試合で欲を捨てられるか。(結果を出そうと)無理をするとミスが出る。野球はミスが多く出るスポーツなので、いい意味での余裕がないといけない」。智弁和歌山とは2000年春の決勝以来2度目の対戦。4-2で勝利しており、今回も普段通りの野球で返り討ちを狙う。

 対する智弁和歌山・高嶋監督は、言わずと知れた甲子園最多勝監督だ。春夏通算67勝(2日現在)を挙げており、今大会で優勝すれば、春、夏、春夏通算の全てで最多勝監督となる。

 2日の休養日は練習中に「(準決勝は)荷物を片付けて帰りの荷造りをしていくからね」と報道陣を煙に巻いた。だが、百戦錬磨の名将は、虎視眈々(たんたん)と優勝を狙っているはずだ。

 決勝に進出すれば、宿敵にリベンジするチャンスが巡ってくるかもしれない。大阪桐蔭には昨年の公式戦で3戦3敗。強烈な対抗心を見せており、開幕前には「(決勝で)大阪桐蔭が待っていますから」と意気込んでいた。また、西谷浩一監督(48)とは、甲子園の抽選会前日に明徳義塾・馬淵監督らと食事に出かけて“口撃”が恒例。聖地の試合でも一泡吹かせたい。

 2試合目は、近年の高校野球界をリードする大阪桐蔭・西谷監督と、就任1年目の三重・小島紳監督(28)の対戦となった。

 大阪桐蔭・西谷監督は、門馬監督と同級生の48歳ながら、すでに甲子園で歴代6位の47勝(2日現在)を挙げている。春夏通算5度の優勝経験を持ち、今大会で優勝すればPL学園の元監督・中村順司氏の最多優勝回数に並ぶ。

 今大会は今秋ドラフト候補を多数擁しており、優勝候補の筆頭だ。他校は対抗心を燃やしていることについては、「今年は異常なぐらいですけど、全て高嶋監督のせいですね(笑)」とかわしつつ、「優勝した去年のセンバツから出ている選手が多いし、強いというよりターゲットにしやすいんだと思います」と謙虚な姿勢を崩さない。史上3校目の春連覇へ向けてスキは見当たらない。

 対する三重は平成元年生まれの28歳、小島紳監督が率いる。今大会は1回戦・日大三戦で、甲子園の春夏を通じて平成生まれの監督として初勝利を挙げている。

 中村好治前監督(現総監督)の退任に伴い、昨年8月から指揮を執り、1年目からバントを使わず、強力打線で勝ち上がってきた。百戦錬磨の西谷監督に対して、どのような戦いを繰り広げるのか。新進気鋭の指揮官のさい配にも注目だ。(デイリースポーツ・西岡 誠)

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