【野球】DeNAラミレス監督が不動の1番・桑原の打順を変えた理由
迅速に動いた。開幕カード3戦目の1日・ヤクルト戦(横浜スタジアム)。DeNAのアレックス・ラミレス監督が、大きな決断を下した。
不振の桑原を2番で起用し、1番にはドラフト2位・神里(日本生命)を抜てきした。ルーキーは期待に応え、プロ初盗塁もマークし、1安打1得点と役割を果たした。これまでは、DeNAのリードオフマン=桑原だった。大きな柱の1つを早々と動かしたことに、大きな意味があると感じた。
昨年はレギュラーシーズン、CS、日本シリーズと全試合で1番に座った桑原。どんなに不振に陥っても「彼はウチのチームのレギュラー」と指揮官は、かたくなに同じ打順で送り出した。だが昨季、終盤に極度の不振に陥った。今年のオープン戦も15試合に出場して打率・167。今季開幕2戦目までで、打率・111と結果は出なかった。
「昨年は我慢して使い続けたが、今年は他の外野手の調子がいい」。桑原のスランプに加えてチーム状況も変わり、これまでに思い描いてきたプランを遂行した。当然、「打順を変えることによってモチベーションが上がることも期待している」と指揮官。「1番を与えることはしない。自分の力でもう一回、1番打者の座をつかんでもらいたい。もちろん、シーズンを戦う上で彼の存在は絶対に必要。ウェイクアップコールのようなものだと思う」。打順が変更になったことで、桑原の奮起を促す狙いもあった。
フォローも忘れない。1日の試合前には桑原と面と向かって約10分間話し合い、ゲキを飛ばした。「非常にポジティブなリアクションをしていました。『ベストを尽くします』ということでした」と説明した。
昨季も同じようなケースがあった。序盤に不調の守護神・山崎をリリーフに配置転換。その後、結果を出し続けたことを受けて元のストッパーに戻した。山崎の奮闘があったからこそ昨年、チームは日本シリーズに出場する躍進を果たした。桑原にも同様の復活を期待している。
全ては20年ぶりのリーグ制覇、という最大のミッションを成し遂げるためだ。「今年は優勝を目指していかないといけない。いい方向に変わっていかないといけない」とラミレス監督。勝利に向かって突き進むために指揮官は、アグレッシブにタクトを振ることになりそうだ。(デイリースポーツ・伊藤玄門)