【野球】大阪桐蔭・根尾はイチロー型?野球部長が語る素顔

 第90回記念選抜高校野球は、大阪桐蔭(大阪)の連覇で幕を閉じた。決勝のマウンドを守り切ったのは、投手も野手もこなすドラフト候補の根尾昂選手(3年)だった。昨年も2年生ながら、優勝の瞬間マウンドにいた。2年連続の“胴上げ投手”だ。

 野球に全てをささげる一生懸命な姿勢で、チームメートからの信頼も揺るぎない。同校の有友茂史部長によると「自分を持っている子」という。「感情を完全に自分でコントロールしている。もしかしたらイチロー選手が、そういう(似たタイプの)選手なのかもしれません」と、メジャーで戦い続けるレジェンドの名を挙げた。

 さらに彼らしいエピソードも教えてくれた。準決勝の三重(三重)戦でサヨナラ勝ちし、チームメートがあいさつのため整列する時。ネクストバッターズサークルにいた根尾は、丁寧に足のレガースを外してから列に向かったという。

 「感情の起伏はあまりない。(周囲との空気感も)勉強してものにする。(出身地の)岐阜を離れて大阪に来たので、最初は気に掛けましたが、彼は物事を吸収するのがとても速い。自然になじんだ」と有友部長。落ち着きと対応力の高さは入学時から際立っていたようだ。

 下級生の頃から、上級生にも認められる努力家。寮に併設されている室内練習場で、午前0時の消灯直前まで自主練習に励む。有友部長は「タイプは違うが、うちのOBでは中日へ行った平田(良介外野手)みたいな感じでしょうか」とも評する。

 優勝インタビューで「素晴らしいところで投げさせていただいて、貴重な経験。次の試合にも生かしたい」と力強い口調で感謝と決意を語った根尾。その表情には浮かれる様子もまったくなかった。このまま春夏連覇へ向け、着実に歩みを進めていきそうだ。(デイリースポーツ・中野裕美子)

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