【野球】日本ハム斎藤佑を知る男が断言!「今年は復活できる」
日本ハム・斎藤佑樹投手(29)が、入団8年目を迎えた。昨年5月31日に623日ぶりの勝利を飾り、9月27日のオリックス戦では6回2失点(自責1)に抑え、最終登板を締めた。勝ち星こそつかなかったものの、復活への手応えをつかみ、今季へと向かっている。今年の活躍を、外部から見守り、応援する人物がいる。昨年まで日本ハムで2軍チーフトレーナーとして体を見続けていた福田修一氏だ。
福田氏は昨年末に21年間、トレーナー稼業を務めた日本ハムを退団。今年からは、埼玉県久喜市で、長年の夢だった鍼灸(しんきゅう)、マッサージ治療院を「多宝堂」を開院した。昨年は、大谷(現エンゼルス)の左太もも裏の肉離れで2軍調整中にリハビリを担当。復帰直後に大谷が「福田さんはじめ、ここまでこれたのは、みなさんのおかげ」と感謝の言葉を明かしたほど、選手に信頼があった。
その福田氏がチームを離れ、気にかけている選手として真っ先に名前を挙げたのが斎藤だった。12年オフに右肩の関節唇を損傷して、以降厳しいリハビリを乗り越えて、現在に至る。福田氏によると、当時の肩の状態を察すると、現在のようにマウンドに立てるまでになるとは思うこともあったと振り返る。
「3年目(2013年)の苦労を見たら、もうダメかなと思ったことはありますよ。実際、沖縄キャンプでキャッチボールをしたときに5メートルしか投げられなかった。関節唇を損傷したピッチャーのリハビリはなかなかうまくいかないんですよ」。手術を回避し、保存療法で地道なリハビリに取り組んできた。苦労をともにしたからこそ、復活してほしい思いは強いという。
同じ故障をした投手には元ソフトバンク・斉藤和己投手や元西武の森慎二投手といった実績十分の投手がいる。しかし、故障後は復活を遂げずに現役を引退した。そんな事例も多いだけに「無理なんじゃないかと思いながら携わってきたが、文句一つ言わずに頑張ってきた。本人の努力があったからここまでこれた」と振り返る。
昨年は斎藤の1、2軍での投球を見続けてきた。投球する姿を見て、復調の兆しを感じているという。「試合を見ていて、『おおっ』ていうボールはあるんですよ。タイミングさえ合えば、すーっといくような。一つ勝つことによって、自分のタイミングで投げられるようになるのではないかと思うんですよね」。今年は復活する兆しがあると期待する。
故障してから6年目となる右肩の状態も落ち着いてきた。今年6月で30歳を迎える。栗山監督は「間違いなく勝ち方を知っているピッチャー」と言うが、間近で接した福田氏も指揮官と同じように思っているという。ここまでの厳しいリハビリや、試合での経験を投球に生かし、今年の活躍につなげることができるか。福田氏は指揮官と同じ思いで、斎藤の投球を遠くから見続けていく。(デイリースポーツ・水足丈夫)