【サッカー】日本代表槙野智章、解任ハリル監督に感謝「素晴らしい時間を共有できた」
電撃解任劇に、大きな衝撃を受けた1人だった。浦和DF槙野智章(30)は、バヒド・ハリルホジッチ氏の更迭から一夜明けた10日に、報道陣に対応。「ショックを隠しきれない。そんな思いです」と沈痛な表情を浮かべた。
類いまれな身体能力をもてあまし気味だったDFは、ハリルジャパンとともに、成長し進化を遂げてきた。クラブW杯出場など特別な事情を除いては全戦に帯同した。控えサイドバック、控えセンターバックに甘んじていた時期を乗り越えて、昨秋にセンターバックとしてスタメンの座をつかんだ。
「ハリルホジッチ監督と出会って、たくさんのことを学びました。プレーのことで悩んだし、いろんなところで成長するきっかけにもなった1人の指導者だと思います。正直たくさん怒られましたし苦しい時間もありましたが、いまのプレーがあるのは間違いなくハリルホジッチ監督のご指導があったからこそだと思っています」
ハリルホジッチ監督は、定期的に日本代表選手個々にプレーの参考になる映像を送っていた。槙野も「非常に多くのビデオを作ってくださった」と明かす。代表招集期間だけでは足りない部分をチェック。槙野自身が1歩ずつ成長するテキストとなった。
解任理由の1つに、選手とのコミュニケーションの問題が挙げられた。これを否定する。「僕は中にいる人間としてそういう問題はなかったと思っています。コミュニケーションのところは非常に高めていかなきゃいけないことの1つだと思っていますが、そのような問題は生じていなかったと思います」。
そう繰り返した上で、ハリルホジッチ氏と過ごした期間を「これまでたくさんの苦しい時間と素晴らしい時間を共有できた」と振り返った。
師と呼べる人物は、去り、新たな体制で2カ月後に臨む。「“2カ月”というワードが出ていますけど、個人的には“まだ2カ月ある”と前向きに取られることしか考えていません。置かれている状況、環境を理解した上で、行動、そしてトレーニングに励んでコンディションを高めていきたい」。槙野はあくまでプラス思考だ。
「ポジティブなサプライズを起こしていけたらと思います」。それがハリルホジッチ氏への恩返しになるはずだ。(デイリースポーツ・鈴木創太)