【スポーツ】池江璃花子 東京五輪に向け覚醒した競泳ヒロイン
東京五輪に向けて、競泳ニッポン期待のヒロインがいよいよ覚醒した。4月上旬に行われた競泳日本選手権で、池江璃花子(17)=ルネサンス亀戸=が6日間で4種目に出場し、6度の日本新記録をマーク。それもほとんどの種目で従来自身が持ってきた記録を大幅に更新。100メートルバタフライ、自由形では世界大会で表彰台を狙える可能性を示してみせた。
圧巻だったのは、最終日に行われた100メートル自由形だ。前日の準決勝で従来の記録を0秒22も更新。「準決勝で記録が出たので、決勝で出せるかなという不安があった」という決勝では「前半抑えて、後半上げた方がタイムが出る」と抑えた前半の50メートルは準決勝よりも0秒24遅かったが、猛烈なスパートを見せて、終わってみれば、0秒43と大幅な日本記録更新。レース後は重圧から解放され、思わず涙がこぼれた。
圧巻のパフォーマンスを見届けた競泳日本代表の平井伯昌ヘッドコーチも「頼もしく感じる。前半からいくレースも、後半に爆発するレースもできる。幅を感じる」と、舌を巻いた。最も世界に近いとされてきた100メートルバタフライでは今大会でリオ五輪銀メダル相当のタイムをマーク。そして、100メートル自由形の記録はリオ五輪4位、昨年の世界選手権でも7位相当のタイム。日本選手がこれまで何度も世界の壁にはね返され続けてきた競泳の花形競技でも、表彰台を狙えるポテンシャルを示した。
同ヘッドコーチは「今回出場しなかった200メートル自由形を含めて世界のメダル級の種目がある」と期待を込め、男子のエース萩野公介も「(池江は)無限の可能性がある」と伸び盛りの17歳に太鼓判を押した。
今年の夏に向けて「まず今夏のパンパシ水泳でメダル、アジア大会でアジアチャンピオンを目指して行きたい。東京五輪も意識しながら今回の記録を更新したい。やるからにはMVPを取る気持ちで泳ぎたい」と、池江。2020年TOKYOのヒロインへ、階段を一気に駆け上がる。(デイリースポーツ・大上謙吾)