【野球】広島・庄司 3年連続開幕1軍も発展途上 真の1軍選手目指せ
2軍落ちの悔しさを晴らすかのような一撃だった。広島・庄司隼人内野手が12日、ウエスタン・オリックス戦(由宇)の初回の初打席で右翼席へ1号ソロを放った。
3年連続で開幕1軍入りを果たしながら11日に中村恭平投手に代わって出場登録を抹消された。2016年は開幕5戦目、17年は開幕6戦目を前に抹消された。過去2年は桜が散るか散らぬかの時季に2軍行きとなった。今年は過去2年に比べると長いが、開幕から11試合目となる4月11日・阪神戦(甲子園)を前に出場選手登録を抹消された。
阪神3連戦の2戦目の試合前練習にいつものように参加していた。しかし、15時にセ・リーグから発表された公示で抹消が決まっていた。練習を終えると、高校(常葉学園橘)の後輩でもある阪神・高橋遙がプロ初登板初先発初勝利を挙げる試合を見ることなく、2軍に合流するため帰広した。
打撃練習を前に「3年連続で開幕1軍に入れたことをよかったんですが、結果が出てなかった」と、4試合に出場し3打数無安打の成績に唇をかんだ。特に10日の阪神戦(甲子園)では、1点をリードされた直後の七回、一岡の代打として先頭で打席に立った。結果は遊ゴロ。「あそこで広輔(田中)さんにつなげていたら良かったんですけど」と、生き残りをかけた打席で打てなかったことが悔しそうだった。
3年連続開幕1軍入りを決めたものの、置かれた立場は、まだ1軍半といったところだ。開幕直後は先発投手が登録されていないため、野手が多く登録される。その枠として開幕1軍に入っていた。
09年度ドラフト4位で入団したプロ9年目。左打ちの内野手として走攻守すべてにおいて力はある。昨年はウエスタン・リーグで最高出塁率・407を記録。10月1日・DeNA戦(横浜)では井納から右前打してプロ初安打も放った。年明けには「出塁率4割を目指していきたい」と言い切った。
12日にはチームでは異例の捕手4人制となったが坂倉が1軍に昇格した。チーム状況を分析した庄司は「左の代打がいないんで、しっかり1軍に定着できるようにしたい」と言った。まだシーズンははじまったばかり。2軍には天谷、岩本ら左の代打候補がいる。ライバルたちと切磋琢磨(せっさたくま)して真の1軍選手としての昇格を期待したい。(デイリースポーツ・岩本 隆)