【スポーツ】ラグビーW杯日本大会 大会ボランティア名にあえて“死語”の「ノーサイド」
「ノーサイド」という言葉は松任谷由実の歌で知った、初めてのラグビー用語だと記憶している。そして、試合が終われば敵味方関係ない、どちらサイドでもなく、ひとつの仲間である-そんなラグビーの精神が込められていることは後付けで知った。
ラグビーW杯組織委員会は23日、東京都内で19年W杯日本大会の公式ボランティア募集開始発表会を開催した。その公式ボランティアの名称が「TEAM NO-SIDE」となった。
海外のラグビー用語集などを見る。「No side」は「試合終了を表すために使われた古語。Full timeにとって変わられた」と説明されている。日本では依然として一般の人にまで知名度のあるラグビー用語は、世界ではかつて単に試合終了を意味するのみの言葉であり、現在は死語となって使われていないという。
W杯公式ボランティアの名称に、あえて「ノーサイド」という言葉を選んだ。募集要項に「日本ラグビーが大切にはぐくんできたノーサイドの精神を体現し、世界はひとつであることを発進する」とその思いが記されている。
「ノーサイド」。ラグビー後進国の日本で独自に発展し愛された言葉がある。日本で初めて行われるラグビーW杯で、日本で広まったその精神とともに、今度は世界に輸出する思い、その名称に込められている。(デイリースポーツ・鈴木創太)