【野球】巨人の破壊力支える“昨季はいなかった選手たち”

 開幕から1カ月。巨人が“強打”を取り戻し、5月戦線に臨もうとしている。開幕から途中、6連敗もあり借金が最大で「5」まで膨らんだが、4月20日の阪神戦から7連勝で借金を完済し、貯金生活に突入。その間、25日の中日戦で63年ぶりの20得点をたたき出すなど、連勝中の得点は7試合58得点と脅威の打力を示している。(各成績は4月29日のヤクルト戦終了時点)

 昨季のチーム打率は・249。1試合平均は3・75点で、計537点は優勝した広島に200点差をつけられた。だが、今季はここまで24試合終了時点で首位・広島の128得点に迫るリーグ2位の125得点。1試合平均5・21点と跳ね上がる。昨季から継続して掲げている1試合平均4点を大きく上回る猛打を見せている。

 昨季“いなかった”選手と、下位打線の厚みが躍進を支えている。中日から移籍した昨季本塁打王のゲレーロが打率・307。一発だけではない安定した打撃を見せれば、2年目の吉川尚は打率・250ながら、しぶとさを発揮し、つなぐ意識を前面に出す。そして、4年目の岡本が開花。・322という打率に加え、リーグトップの21打点。岡本、吉川尚は昨季、戦力にならなかった選手。村田が抜け阿部が代打待機の中、“新しい血”が、上積みとなっている。

 また、ベテランの亀井が打率・333と勝負強さを発揮。そして2年連続で打率リーグ最下位だった小林が打率・348を記録している。好調な下位打線で好機を築き、12日に1番に入る坂本勇が打点を挙げるケースも多く「相手にとっては(坂本勇の1番は)怖いでしょ」(高橋監督)と、中軸だけに頼らない打線が組めている。

 打力向上へ昨秋キャンプから若手に対し1日1500スイングを課すなど、猛特訓を徹底してきた。シーズンに入っても、試合終了後に打撃コーチがつきっきりで素振りを敢行する、“特訓”の流れは継続中だ。

 開幕後、たびたび「成果が出ているのでは」という質問が出るが、高橋監督は「始まったばかり」と簡単に首を縦に振らない。現役時代から誰よりも練習を積み、阿部が「キャンプ中『まだ打ってるよ』と思った」と言うほどの練習を積んだ指揮官。一朝一夕で効果が出ないことを身をもって分かっているからだ。ただ、打力という広島との大きなハンディを克服して約1カ月が過ぎた。今年は違うという空気は醸し出している。(デイリースポーツ・野畑圭司)

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