【野球】広島・野間に打撃開眼の予感 試行錯誤もプロ4年目での意識改革
鋭いライナー、高いバウンドが外野の芝生で弾む。プロ4年目。俊足、強肩が武器の広島・野間峻祥外野手に打撃開眼の予感だ。すでに猛打賞を3度記録するなど、43打数15安打で打率・349(5月10日現在)と好調をキープ。野間は「たまたまです」と謙虚だが、「打てるボールをしっかり前に飛ばせているのがいいと思います」とうなずく。
今季は外野手に故障者が相次いでいる。4月上旬に鈴木が下半身の張りで一時離脱。丸も4月28日・阪神戦の守備中に右太もも裏を痛め、出場選手登録を抹消された。チームのピンチは若手にとってチャンス。他の外野手と同じように野間にもスタメン機会が与えられ、その中で結果を残している。
「ストライクを打つように積極的にいっています。得点圏ではなおさら。追い込まれると厳しいので。芯で打とうとせず、上からしっかり(球を)つぶしにいくイメージです」
打席では甘い球にターゲットを絞り、浅いカウントから積極的にバットを出す。塁に出れば、足でかき回す。どこでも守る外野守備は安定感抜群だ。東出打撃コーチも「野間が打ってくれると、チャンスも増えてくる」と目を細める。
ここまで試行錯誤を繰り返してきた。昨秋は「すり足打法」にトライ。だが「構えたところから打ちにいけなかった。球を見てから打とうとしていた」と断念。ただ遠回りではない。「練習ではきれいに打とうとしてしまう。試合と同じように100%で振ろう」と意識改革。春季キャンプでは胃腸炎を患い、別メニューの時期もあったが、一心不乱にバットを振り続けた。
「外野手は打たないといけない。今のところ、出る機会をもらっているので、継続していいものを見せていきたい。打つことで足も生かせる。チャンスだと思ってやりたい」
昨季は主に代走、守備固めとして98試合に出場し、リーグ連覇に貢献した。ただ打率・189。課題は明白だった。今季はひと味違う。快音が続く打撃に磨きをかけ、走攻守でファンを魅了する。(デイリースポーツ・杉原史恭)