【野球】中日・松坂が移籍後初本塁打を放つ日

 中日・松坂大輔投手が13日の巨人戦で東京ドームのマウンドに立ち、敵地のアウェー感に包まれた雰囲気を一変させた。

 2009年WBC以来の東京ドーム。99年4月7日のプロデビュー戦、最速155キロの直球で日本ハム・片岡篤史(現阪神・ヘッド兼打撃コーチ)を空振り三振を奪うなど、衝撃のデビューを見せた思い出の詰まったマウンド。巨人戦のマウンドもその1球を投じるごとに中日のホームのような歓声が起こった。もうひとつ興味深かったのがセ・リーグの投手として9番打者で打席に立ち、スイングでもファンを楽しませたことだ。

 今は大谷が二刀流としてメジャーで存在感を示しているが、元祖・平成の怪物も二刀流に挑戦していれば、どうだったかと思うことがある。メジャー挑戦前の西武担当時代、記者は南郷キャンプで柵越えを連発したのを見ていた。

 当時「みんなが打ってるのを見ると打ちたくなるんですよ」と、ランチ休憩中に打席に立ち、左翼席に気持ちよさげに放り込んでいた。ロングティーでも50スイング程度で、野手並みの15発ほど柵越えしていたと記憶している。

 2000年には代打でタイムリーを放ったこともある。非凡な打撃センスを持ち、打撃好きの松坂は下半身強化の一環も兼ねて、打撃練習をよく取り入れていた。日本球界に戻り、今年の中日のキャンプでも継続して行っている。

 今年からセ・リーグに移籍し、ひそかに記者が期待しているのが初安打初本塁打だ。13日の巨人戦の三回の打席では巨人・野上のボールをフルスイングしファウルした際、大きな歓声が上がった。やはり期待を抱かせる男だ。

 投手としては4月30日のDeNA戦で復帰初勝利を挙げたが、野手として移籍初安打の可能性はあるのか。西武時代から見ている、通算2452安打の中日・土井正博打撃コーチに聞いてみた。「楽しみだよねえ。今年のキャンプでも体のキレをつける狙いもあって朝からバッティングをやっていたけど、鋭い打球を飛ばすこともねえ。昔のいい投手はエースで4番だったからね」と、期待感を抱かせる。

 メジャー移籍前の2006年・阪神との交流戦で甲子園の左中間席へ放り込んだ怪物。日本での本塁打はこの1本。本人は中日に入り、移籍初安打へ意欲をみせている。DH制のないセ・リーグで今年、自らを助けるアーチをかけることはあるのか。一つの楽しみにしている。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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