【野球】巨人・内海、子供達の笑顔のために奮闘する 10年目のランドセル寄付活動
勇気と希望をもらった子どもたちも、苦難の末の1勝を喜んでいるに違いない。10日の阪神戦(東京ドーム)。今季初の1軍先発マウンドを踏んだ内海哲也投手(36)が初勝利を挙げた。プロ入り2年目からの14年連続勝利。かつてはエースとしてチームの中心を担った左腕には、グラウンド外でも“代名詞”といえる活動がある。
「内海哲也ランドセル基金」。児童養護施設などで暮らす新入学児童にランドセルを寄付する社会貢献活動で2009年に始まり、今年で10年目を迎える。当初は前シーズンの奪三振数と同じ数、2013年からは投球回数と同じ数のランドセルを贈ってきた。今年は57個が子どもたちに渡り、これまでの総数は1330個に上る。
最初の年にプレゼントした子どもたちは、今年度から高校生になった。10年という歳月は長い。同じ活動を続けていくことは決して容易ではないが、「10年支援を続けてきたことを誇りに思いますし、1300人以上の子どもたちの笑顔につながったと思うと本当にうれしいです」と内海。そして「今後もこれを励みにしながら、1500個、2000個を目指して結果を残していきたいと改めて思いました」と続けた。
18日のDeNA戦(東京ドーム)では内海からランドセルを贈られてきた子どもたちが試合前のイベントに参加し、始球式も行う。
初勝利の試合後「もっと勝ちたいという欲が出てきた。1試合1試合、チャンスをもらえたら頑張りたい」と決意を新たにした内海。1軍での登板増は、より多くのプレゼントができることを意味する。1軍初登板まで時間がかかったが、たくさんの子どもたちを笑顔にするべく、ベテラン左腕は前に進む。(デイリースポーツ・野畑圭司)