【野球】侍J稲葉監督 東京五輪まで2年…いよいよ本格的にスタートする武者修行
金メダル獲得を目指す2020年東京五輪まであと2年。残された時間はあるようで、ない-。野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督は、そんな思いも胸に、本格的な“監督修行”をスタートさせる。
中米ニカラグアで開催される「U-23(23歳以下)ワールドカップ」(10月19日~28日)で指揮を執るのは、その一環だ。自身が監督として経験を積むことも大きなテーマだ。「私が監督の経験をする機会がなかなか、ありませんので。監督をやらせていただくことに感謝してます」。勝つことも大きなミッションだが、「いろんなことを試したい。私自身の勉強としてもやっていきたい」。若い侍たちとともに戦うのと同時に、投手交代、どうやったら1点を取れるのか、の作戦面、ベンチワークもしっかりと学ぶ覚悟だ。
自身の代表監督就任後、初めて海外で試合を行う。ニカラグアに行くのも初めてだ。「これもいい経験なのかなと。オリンピックは日本でやりますけど。日本から出てやるというのはいい経験。全体を通していろんな経験ができたら」と言葉に力を込める。
日本代表の監督として、プロ野球公式戦の視察も始める。今月24日・ソフトバンク対西武戦(ヤフオクドーム)を皮切りに6月上旬まで12球団の試合を回り、チェックする。「U-23W杯」、その後の11月にはMLBオールスターチームと対戦する日米野球も控えている。20年東京五輪も見据え、各選手の状態など現状を把握することも狙いの一つだ。
「若い選手で非常に今後、面白いだろうなという選手は、ピッチャーも含めて出てきてます」。指揮官が自らの目で選手の能力や実力、伸びしろも見極める。その“眼力”を磨くことも重要な監督修行だろう。視察では各球団の監督やコーチから選手の情報だけではなく、采配やベンチワークについて学ぶことも可能だ。
20年東京五輪まで2年間は、稲葉監督にとっては構想を練り、選手を選び、自身も経験を積み、勉強する重要な期間となる。「選手としっかりコミュニケーションを取っていきたい。あとはオリンピックに対する私の思いも選手にしっかり伝えていく。なかなか集まって試合する機会は限られている。みんなで一つの目標に向かっていくチームを作りたい」。日本代表の将もさらなる“進化”を果たし、本番で頂を目指す。(デイリースポーツ・伊藤玄門)