【野球】日本ハム大田泰示にみる肉体改造効果 減量で疲れ残らず奮闘中
“和製A・ロッド”になり得る大器が北の大地で奮闘中だ。走攻守における躍動感あふれるプレーは見る者を魅了し、飛躍を予感させる。16年オフに巨人から移籍し、日本ハムファイターズの一員として2年目のシーズンを戦う大田泰示外野手(27)。首位・西武に1ゲーム差と肉薄するチームに、背番号33の存在は欠かせない。
移籍1年目の昨季は自己最多118試合に出場し、プロ入り初の規定打席に到達。打率・258、15本塁打、46打点とキャリアハイの成績を残した。一方、同時に課題も見つかったという。「1年間、戦えるだけの体力がなかった」。連戦を経験したことで認識できた足りない部分。オフシーズンを利用し、肉体改造を推し進めた。
炭水化物の摂取量を減らし、今まで以上に有酸素運動を積極的に取り入れた。脂肪を燃焼させ、今年2月のキャンプ前の時点で2キロの減量に成功。「体重を減らすことで体の疲れが以前より残らなくなる。たった2キロでも、2キロのダンベルを背負わなくなったと考えれば全然違う」。18年シーズンが開幕し、手応えを感じている。
ここまで45試合に出場して打率・264、10本塁打、29打点。4月終盤からレギュラーに定着し、主に2番打者として活躍中だ。連戦が続くが「常にフレッシュな状態で試合に臨めている」と肉体改造の効果を実感。栗山監督も「泰示が2番という形を作ってくれている」と信頼を置く。
また、チームの軸を担う自覚も芽生えてきた。仲間の先頭に立ち、けん引する新主将の存在に刺激を受けている。「若い選手が多い中で、自分は中田さんの一学年下。もっと中田さんを後押ししていきたいです」。強打の大田が2番に座ることで打線に彩りが加わる。だから、指揮官はハッパをかけるのだ。
「いつも泰示に言うんだよ。『A・ロッドになれ!』ってね」
眠れる才能が開花するまであと少し。プロ10年目の今季、超進化の兆しが見えている。
(デイリースポーツ・中野雄太)