【スポーツ】車いすスポーツ普及へ 東大阪市とSSKが夢と希望の詰まったタッグ
5月14日に過去に類を見ない画期的な取り組みが発表された。スポーツ用具メーカーとして老舗の株式会社「SSK(エスエスケイ)」が、大阪府東大阪市と連携協定を締結。同社が自治体と協定を結ぶことは、創業以来初めてのことだった。
では、なぜ締結に至ったのか。背景には同市が昨年度より推進する「ウィルチェアースポーツ」の普及、周知にあるという。一般的に聞き慣れないが、「ウィルチェアー」-とは、車いすスポーツの英語訳であり、呼称。車いすラグビー、車いすバスケットボール、車いすソフトボール、車いすテニス、車いす陸上などが競技としてある。
同市内にある花園ラグビー場などで来年、ラグビーのW杯が開催される。「スポーツのまち」として地域振興を目指す市は、「ウィルチェアー-」から、年齢や障害の有無に関わらず、共にスポーツを楽しむというインクルーシブな概念を取り入れた施策の推進を図っている。昨年10月には、同スポーツができる広場(東大阪市若草町8-25=枚岡アクア駐車場西側)をオープンさせ、現在、積極的にイベントも開催している。
スポーツ分野での地域貢献に取り組む中、同市の取り組みに強い関心を寄せたのが、SSKだった。連携による取り組みは以下の通りだ。
(1)東大阪市主催のスポーツイベントにおける協力。
(2)ウィルチェアースポーツに関する協力。ウィルチェアースポーツ広場で使用する用具の支援など。
(3)ワールドマスターズゲームズ2021関西の認知度向上、参加者獲得に関する取り組みにおける協力。
(4)東大阪市及びSSKのPR活動での協力・スポーツに関する事業について連携し、東大阪市とSSKの取り組みを併せてPR。
(5)スポーツを通じた地域交流とまちのにぎわいづくりに関する活動。プロスポーツの選手会との共同イベントの開催。プロスポーツ選手による市内小中学校での授業実施に関する連絡調整。
東大阪市、そしてSSKは発信源として、将来的に全国的な「ウィルチェアー」-の普及を目指している。健常者と障害者が分け隔てなく、スポーツを楽しめる世界に-。夢と希望が詰まった第一歩だ。(デイリースポーツ・田中政行)