【野球】広島、首位快走を支える鉄壁の内野守備
プロ野球は29日に交流戦がスタート。広島はシーズン序盤から投打ともに奮闘し、5月30日現在貯金10で首位を走る。緒方監督は就任以来「守り勝つ野球」を掲げる中、内野の失策はDeNAの12に次ぐ少なさの13。玉木内野守備走塁コーチは「今のところは思っていた通り、二遊間を主にして菊池が引っ張ってくれている」と目を細めた。
今季も二塁・菊池、遊撃・田中と不動の二遊間がけん引する内野陣。その中で、玉木コーチが内野守備のベストゲームに挙げたのは5月9日のDeNA戦だ。引き分けとなったが、菊池や美間の好捕が際立ち「ああいう守備をしてくれるとね。象徴する試合」と評した。
さらに同コーチは23日の巨人戦(ひたちなか)にも言及する。慣れない地方球場に加え、雨のためグラウンド状況は芳しくなかった。「足場に(神経が)いきがちになるけど、集中してくれて併殺もしっかり取ってくれた」。初回に5点を奪う優勢な展開でもあったが、二回無死一塁で4-6-3、五回無死一、二塁で5-4-3の併殺で反撃の芽を摘んだ。
玉木コーチが春季キャンプから毎年内野陣へ徹底させているのは「確実なスロー」と「打ち取った打球を当たり前のように処理する」こと。「打ち取った当たりをエラーされると、投手も精神的に参る。1軍なんて特にそういう場」。確実なアウトの積み重ねで、守り切った試合を形成するのが理想だという。
もちろん「菊池以外はまだまだ進歩しなくちゃいけない」と同コーチが話すように、個々に高いレベルを求める。主力の田中にも期待が大きいからこそ「もっとまだまだ。ゴールデングラブも取ってない。ショートの代表として見られるぐらいの質はある」と語る。昨年背番号2は通算16失策だったが、現時点では3で「それを継続して、我慢して。夏場は集中力を切らしてエラーしたりというのがある。疲れている時、精神面の話にもなるけど強い気持ちで臨んでとは言っている」と期待を込めた。
3連覇へ向けても重要な交流戦は始まったばかり。攻撃に加え、守備でも一丸となって頂点へと突き進む。(デイリースポーツ・田中 哲)