【スポーツ】東京五輪日程 競泳無念の午前決勝…逆境を力に変えられるか

 2年後に迫った2020年東京五輪の競技日程の大枠が発表された。17日間で史上最多の33競技339種目を行う2年後の真夏の祭典の具体像がいよいよ明らかになった。今回の日程で注目が集まったのは、東京とほぼ同じ時差で行われた08年北京五輪で、日程に強い影響力を持つ米国の放送局NBCの意向などもあり、午前決勝となった体操と競泳だ。ともに米国がスター選手を抱えており、今回も影響があると見られていたが、明暗分かれる形となった。

 “絶対王者”内村航平の存在もあり、団体連覇などの期待が高い体操は、決勝が18時~21時という“ゴールデンタイム”を確保。組織委の関係者も「招致の時の時間帯が通った。体操は国民が楽しみにしている競技だから」と、ホッとした様子だった。一方で競泳は、この日の組織委員会のプレゼンのギリギリまで調整が続いたが、発表予定だった18日までに組織委、国際水泳連盟(FINA)、IOCの3者で合意に達せず。最終的には19日に午前決勝となることが明らかになった。

 日本水連とFINA、組織委は、選手のコンディション面などを考慮し、夕方以降の決勝スケジュールを希望していたが、最終的には莫大な放映権料を支払う米テレビの放映時間に合わせる形で押し切られた。日本水連は「日本水泳連盟と致しましては、各関係団体にもご協力いただき、午後決勝で開催していただくべく努力を続けてまいりました。しかしながら、東京五輪競技大会2020・競泳競技の午前決勝での開催決定との報道を受け、大変残念ではありますが、午前決勝であっても、国民の皆さまのご期待に沿う結果を出せるよう努力を続けていく」と、無念のコメントを出した。現在でも米放送局の意向は強く反映されており、今年2月の平昌冬季五輪では、フィギュアスケートが午前10時からの開始となり、選手たちは調整面などで苦労を強いられた。

 ただ、逆境で力を発揮してきたのが日本選手たちでもある。北京五輪の競泳では北島康介が2大会連続の平泳ぎ2冠を達成。100メートルでは世界新をマークした。平昌五輪のフィギュアでも男子で羽生結弦が66年ぶりの連覇を達成。宇野昌磨も銀メダルを獲得している。

 他国が苦戦するならば、これまでの日本の成功体験が十分に生かせるはず。午前中からのメダルラッシュに期待だ。

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