【野球】巨人・田中俊が刺激を受ける兄のカープ田中の存在とは…
兄弟選手の多くいるプロ野球界で今季、新たに兄弟プレーヤーが誕生した。兄の広島・田中広輔、弟の巨人・田中俊太。兄・広輔は言わずと知れたカープの主力選手。昨年、日立製作所から巨人に入団した弟の俊太も開幕1軍入り後、たびたびスタメンで起用されることも。将来のレギュラー候補として、期待されている。
弟の俊太にとって兄の存在は、今でも大きな刺激になっているという。7月21日に行われたマツダスタジアムでの広島戦。四回、一時は勝ち越しの中前適時打を広輔の前で放った。兄の前でプロ“初打点”を一塁上で俊太は、控え目に喜んでいた。
野球界の兄弟選手、野球を始めたきっかけが兄の影響という選手は多い中で、3人兄弟の末っ子として生まれ、2人の兄の存在に感謝する。広輔と、もう一人の兄で高校、大学、社会人と野球を続けていた次男の背中を追いかけてきた。
「2人の兄を小さいころから見て、野球をする姿のマネをしていました。格好(かっこ)いいなと思って、自分も野球をやってきましたね。プロを目指すモチベーションにはなりました」
広島入団後の広輔のプレーもテレビで見てきた。「うらやましいし、すごいなと思っていましたね」。追いつきたいという思いが自身の成長につながったと振り返る。
技術的なことより、メンタル面で学んだことも多かったという。
「考え方は聞いてました。いつでも気持ちのブレがないようにプレーすることとか、信じて続けることの大切さを教えてもらいましたね」
広島との3連戦では目の前で広輔に豪快なホームランを見せつけられた。二塁を守っていた俊太の前を通り過ぎ、ダイヤモンドを回る。その姿を複雑な表情で見つめた。
「僕は1年目なので、アピールをしないといけない。出た試合、任された試合で自分のできることをしっかりやっていきたい。積み重ねていかないといけない」
シュアな打撃と守備範囲の広さが持ち味のルーキーはチームの順位も個人成績もいつか、兄を超えることを目標に、自己を磨いていく。(デイリースポーツ・水足丈夫)