【野球】広島独走でも選手は必死、7年目・戸田は「1軍に残って胴上げしたい」

 きれいな丸刈り頭は決意の表れだ。今年こそ、歓喜の瞬間に立ち合いたい。プロ7年目を迎えた広島・戸田隆矢投手(25)が1軍に食らいついている。

 「(過去2年は)ふがいなさすぎた。もう一度、野球に取り組む姿勢から見直そうと思いました。期待を裏切り続けているので、何とか信頼してもらえるように結果を残したいと思っています」

 プロ1年目から1軍マウンドを経験。4年目まで順調に登板数を増やしたが、ここ数年は伸び悩んだ。昨季はわずか3試合の登板。今年の春季キャンプも途中離脱し、開幕から2軍暮らしが続いた。

 2軍では心機一転、投球フォームを改良した。「一番腕が振れるところ」を模索し、オーバースローから腕を少し下げるスリークオーターへ変更。きっかけをつかみ、1軍昇格をたぐり寄せた。

 今季は8月19日・DeNA戦(横浜)で初先発。3回1失点に抑えると、9月2日・ヤクルト戦(神宮)で再び先発をチャンスをゲットした。その試合でテンポよく二回まで無失点に封じながら、3点リードの三回に突然崩れた。1死から3者連続四球を与え、バレンティン、雄平に連続タイムリーを献上。好投から暗転、三回途中3失点でKOされた。

 後日、練習中のグラウンドで緒方監督から「一番良いときと悪いときが出ていた」と指摘を受けた。それ以降は中継ぎで奮闘。「余計なことを考えず、しっかり腕を振って思い切って低めに投げる」と言い聞かせて、マウンドに立っている。

 仲間もサポートしてくれた。ジョンソンからルーティンやキャッチボールについて教わり、基礎練習の重要性を痛感。助っ人のキャッチボール相手を務め「自分に合う。1つの方向に向いてやっています」とうなずく。

 過去2年、優勝決定日はファームにいた。シーズン最終盤を迎え、今年はリーグ3連覇に貢献するチャンスがある。戸田は「1軍に残って胴上げしたい。ビールかけもしてみたいですね」を目を輝かせた。期待の左腕は顔つきも変わった。(デイリースポーツ・杉原史恭)

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