【野球】広島・赤松が追う新井の背中、突然の出番でも「万全であるように」
ナインからも驚き、ねぎらい、感謝の声が相次いだ今月5日の新井の現役引退表明。07年オフに阪神にFA移籍した際、人的補償で広島に加入した赤松真人外野手も2軍生活を送る中、尊敬の念を抱き、その思いを口にした。
14年オフに新井が広島に復帰してから同じユニホームを着てプレー。弱音も文句も一切吐かない姿が特に印象的だといい、「選手の鑑(かがみ)」と語る。
例えば、代打の時だ。「万が一、用意していなくても『次いくぞ』って時がある。プロだから余計に準備はしたいと思うけど、万全であるように新井さんがパフォーマンスを最大限に出されていた」。突然の出番でも、フルパワーを出し切り仕事を全うする-。自らも足のスペシャリストとして代走での出場が多かっただけに、その姿に感服する。
自身は昨年1月5日の胃がん手術から、今年グラウンドに復帰。3月4日の春季教育リーグ・中日戦が約15カ月ぶりの実戦だった。ウエスタンではここまでフル出場こそないものの、52試合に出場し打率・224、1本塁打、5打点、4盗塁(21日現在)の数字を残している。
チームは球団史上初のリーグ3連覇が目前に迫る。その一方で「胃が半分ない野球選手っていないからね」とプレーしながら体重減少など己とも戦う日々だ。プロ20年目の背番号25への敬意を胸に、プロ14年目は1軍での出場を目指し全力疾走している。(デイリースポーツ・田中 哲)