【野球】指名を待つ四国アイランドリーグのドラフト候補
プロ野球ドラフト会議(10月25日)が近づいてきた。独立リーグの四国アイランドリーグplus(ILp)は2005年の創設以来、これまで13年間で61人をNPBに輩出。ロッテで首位打者を2度獲得した角中勝也外野手(元高知)や中日のセットアッパー・又吉克樹投手(元香川)ら1軍で活躍する選手も出ており、貴重な人材供給源として存在感を高めてきた。
その四国ILpから、今年も何人かの選手がドラフト指名候補に名前が挙がっている。
投手では徳島インディゴソックスの鎌田光津希投手(23)の評価が高い。最速155キロのスピードを誇る本格派右腕で、140キロを超えるフォークも武器。敬愛大から入団1年目の今季は4勝3敗、防御率2・49の成績を残した。
就任1年目の石井貴監督(元西武)から指導を受け、技術、精神の両面で大きく成長した。徳島から昨年ドラフト3位で西武に入団し、早くも1軍で2勝を挙げた伊藤翔投手(19)は横芝敬愛高(千葉)の後輩だ。「彼と比較されることは覚悟で徳島に来た。意識するし、負けたくない」と鎌田。3学年下の後輩に負けじとNPB入りへ燃えている。
同じ徳島の竹内裕太投手(22)もスカウト陣から注目を集めている。鶴見大出身で入団1年目の右腕。身長173センチと上背こそないものの、伸びのある直球にスライダー、チェンジアップ、フォークなど変化球の精度も高い。徳島入り後はウエートトレーニングなど体力アップに取り組み、大学時代は140キロ台前半だった球速が最速151キロまでアップした。「体が大きくないので、全身を使ったフォームを意識している。投げっぷりの良さを見てほしい」とアピールする。
打者では香川オリーブガイナーズの妹尾克哉内野手(19)が筆頭候補だ。神戸国際大付高から入団2年目の今季、160打数57安打の打率・356で首位打者のタイトルを獲得した。巧みなバットコントロールと50メートル走5秒9の俊足、そして遊撃手として見せる堅実な守備。「走・攻・守」3拍子そろった左打者は「1年でも早くNPBに行きたい。もっと上を目指したい」と目を輝かせる。
夢をあきらめず、四国の地でひたむきに努力を続ける若き選手たち。10月25日の“運命の日”に、何人のアイランドリーガーが指名を受けるか楽しみだ。(デイリースポーツ・浜村博文)