【スポーツ】元女王イ・ボミに復活の兆し!ショット不安から脱出
ショットの不調が原因で成績が低迷している女子ゴルフの元女王イ・ボミ(30)=韓国=に本格復調の兆しが出てきた。日本女子オープン(9月27~30日、千葉CC野田C)は通算6オーバー51位に終わったが、予選突破を決めた2日目には「すごくショットがよくなりました。今日はスイングのことを1回も考えなかった。ショットのことを考えないからゲームに集中できました」と久々に明るい表情を見せた。
そのきっかけは日本女子オープン限定でバッグを担いだ大溝雅教キャディーの「アドレスではクラブヘッドを地面に置いて構えてよ」とのひと言だった。大溝さんは男子の小平智の専属キャディーとしても知られるベテラン。イ・ボミがアドレスでヘッドを浮かせているのを見て指摘したそうだが、これが的を射ていた。
イ・ボミはこの言葉を聞いて、日本女子プロ選手権(9月6~9日、富山県・小杉CC)前から改めて指導を仰いでいるチェ・ボムス・コーチに確認。同コーチもGOサインを出したことから、意を強くして、アドレス時に浮かせていたヘッドを芝の上に置くようにした。
すると効果はてきめん。持ち球のドローボールが右に出たまま戻ってこないミスがなくなり、自信を持ってクラブを振れるようになった。
「ヘッドを浮かせて構えると、テークバックでヘッドがインに入りすぎて(プレーンから外れて)しまうんです。おっちゃん(大溝さん)の言うようにヘッドを地面に置いておくと、バックスイングでヘッドを低く長く引けます。(結果として)スイングアークも大きくなるので、遠心力が使え、ボールを長く押せるようになったんです。これまではスイングする度ドキドキしていたんですけど、それもなくなりました」
イ・ボミは15年(7勝)、16年(5勝)と2年連続賞金女王に輝いた翌年の17年から勢いが止まった。同年はCATレディースで1勝したが、賞金ランクは23位に大きく後退。ショットに深刻な悩みを抱えたことが原因だったが、ようやく低迷脱出の光が見えてきた。
「自分がよかった時と今の状態を比べるのは難しい。あの時は全部がよかったんだと思います。今はひとつでもミスをしないように頑張るしかないんです。それでも、これからはパターに集中することができるかなと思います」。日韓両国で数十万人の熱烈ファンに“スマイルキャンディー”の悩みない笑みを見せる日は、そう遠くなさそうだ。(デイリースポーツ・松本一之)