【野球】阪神を戦力外となった今成 助っ人選手に心開いた理由
阪神から戦力外通告を受けた今成亮太内野手(31)は、助っ人として日本にやってきた外国人選手とよくコミュニケーションを取る姿が印象的だった。2軍担当として取材した昨年、その理由を聞いたことがあった。
昨年夏。甲子園の室内練習場。その日もキャンベルと楽しそうに会話していた。豊かな表情を見ていると、2人の間に言葉の壁はないように思えた。2016年のオフ、ゴメス退団の話題を振られた際は「いいやつだった」としみじみ語っていた。
なぜ外国人選手と仲良くなれるのか。「外国人は目線がフラットなんだよね。日本だったら先輩後輩の関係があるし、固くなってしまう」。もちろん、日本選手との仲が悪かったわけではなく、今成にとって気を遣わないでいられる存在が助っ人だったようだ。
「特別なことなんて話してないよ」と笑いつつ、「外国人は考えが柔軟というか、決めつけることがない」と、個人の思考や思想を重んじることに共感している様子だった。そして今成自身も、堂々とポリシーを貫く勇気のある男だった。
毎年11月のファン感謝デーではとびきりのパフォーマンスで場を盛り上げた。グラウンドでは時に仲間のために体を張った。昨年のウエスタン・ソフトバンク戦。先発の才木が相手選手に死球を与え、その選手が怒ってマウンドに詰め寄ってきたことがあった。
緊迫した空気が漂う中、三塁を守る今成が2人の間に割って入るよう前に出てきて、怒る相手選手に鋭い視線をぶつけた。結局、何も起こることなくプレーは再開された。試合後、その場面について「(才木にとって)ああいうのは初めてだと思ったから。守ってあげた方がいいかなって」と話した。仲間のピンチを見過ごせない、熱い男でもあった。
1軍でプレーする姿を、もう一度見たい。そう思わせてくれる選手。陰ながら願い続けたい。(デイリースポーツ・山本航己)