【野球】狙ったミットへ…広島・長井、新フォームで磨く制球 アドゥワから刺激
広島の長井良太投手(19)が新フォームの習得に励んでいる。マウンドに立ったときから、プレートに右足を並行に置き、左足は一塁側に引いた状態から始動するものだ。バランスを良くして制球力アップにつなげるのが狙い。開幕1軍を勝ち取るために、オフも継続していく。
パッと見てわかる変化だった。ブルペンでの投球練習。左足を引いてマウンドに立つ長井がいた。その状態からゆっくりと始動して力強く腕を振る。捕手のミットが、構えた位置から微動だにしない投球が何球もあった。
「体のバランスを修正して、制球力を上げるのが狙い。何かをやらないといけないと思ってやりました」
2年目の今季、初めて1軍に昇格。最も自信がある150キロを超える直球で勝負した。だが4試合で防御率は13・50。5月22日の巨人戦では岡本に3ランを浴び1回3失点だった。「コントロールさえ間違わなければ打たれない。でも甘くなったら打たれると感じた」。自身の現在地を知った試合だった。
テレビで見る同期入団の投球にも刺激を受けた。アドゥワだ。手元で変化する直球とチェンジアップを低めに集め、開幕から1軍にフル帯同。一時は勝ちパターンにも入った。球速は自身よりない。それでも通用できたのは制球力に優れていたからに他ならない。
球威を維持しながら制球力アップにつなげるには-。試行錯誤して一つの形を見いだした。最初からプレートに右足を並行に置き、左足は一塁側に引いた状態でマウンドに立った。そこから左足を上げていくことで、体のバランスを維持したままリリースにつなげられるというのだ。
秋季キャンプでは初日から2日連続でブルペン入り。13日のシート打撃を経て14日も投球練習した。16日からの最終クールでも積極的に投げ込み体にフォームを覚え込ませた。
12日の契約更改交渉では、球団から「真っすぐを評価している。続けてアピールをしてほしい」とエールをおくられたという。球威を維持しながら制球力を上げるのが、来年の春季キャンプまでのテーマになる。
「今年はいろいろ経験をさせてもらった。それを無駄にしないようにしなければいけない。来年は開幕1軍を勝ち取って、ずっと帯同できるようにしたい」。大きな目標を掲げ、鍛錬の日々を続けていく。(デイリースポーツ・市尻達拡)